福山市:工業用水道事業

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経営比較分析表(2021年度)

経営の健全性・効率性について

「①経常収支比率,②累積欠損金比率,⑤料金回収率」経営の健全性を示す「①経常収支比率」は,年間総有収水量の増加に伴う給水収益の増加が大きかったことや修繕費の減少などによる費用の減少より前年度比7.11ポイント増の143.41%となりました。また,料金水準の妥当性を示す「⑤料金回収率」も,前年度比7.41ポイント増の144.87%となりました。①,⑤ともに100%を上回っていること,また複数年度にわたって累積した損失を示す「②累積欠損金比率」は0%であることから,単年度の事業経営に必要な経費を経常的な収益で賄えています。「③流動比率」類似団体平均等と比べてかなり高い水準となっており,十分な資金残高(内部留保資金)を確保できている状況です。これは,給水収益が安定していることに加え,近年大規模な施設改良を行っていないことによるものです。「④企業債残高対給水収益比率」企業債については,2003年度(平成15年度)以降新たな借入れを行っていないことから,類似団体平均等と比べて非常に低い水準となっています。「⑥給水原価」動力費・修繕費の増はあったものの,継続した経営コスト縮減の取組により総費用が減少したことや年間総有収水量が増加した影響により,前年度より減少しました。「⑦施設利用率」一日平均配水量の増加に伴い,前年度から増加しており,類似団体平均等と比べて高い水準を維持しています。引き続き,効率的な施設の運営に努めていきます。「⑧契約率」前年度から増減はありません。なお,近年は需要者(事業所)の増減は少なく,不安定な景気動向などから,今後の契約水量の増加は期待できないものと見込んでいます。

老朽化の状況について

「①有形固定資産減価償却率,②管路経年化率」資産の減価償却の状況を示す「①有形固定資産減価償却率」は,前年度比1.23ポイント増の64.03%,法定耐用年数を経過した管路延長の割合を示す「②管路経年化率」は,前年度比0.02ポイント増の61.46%と施設の老朽化が進んでいることを示しています。これは,浄水場や配水池の建設から50年程度が経過し,更新時期を迎えているためであり,限られた財源を活用した計画的・効率的な更新や投資額の平準化を行う必要があります。そこで本市では,2015年度(平成27年度)からアセットマネジメント(資産管理)手法を活用し,過去の使用実績などから実質的な使用可能期間である使用年数基準を設定して,施設をできる限り長期間使用するなど,ライフサイクルコストの低減に取り組んでいます。「③管路更新率」当該年度に更新した管路延長の割合を示す「③管路更新率」は,前年度と同様の0.00%と低い水準にあります。これは,使用年数基準による更新時期が到来していない管路が多いことによるものです。

全体総括

工業用水道事業を取り巻く経営環境は,新規の需要や契約水量の増加が期待できないことから,給水収益の伸びは見込めないものと予測しています。一方,管路の布設替えをはじめ,老朽化した浄水場など施設の更新・耐震化などに多額の事業費を要することから,大変厳しい状況が続くものと見込んでいます。また,新型コロナウイルス感染症の感染拡大など,事業経営に影響を与える災害等が発生し,社会環境も大きく変化しています。このような状況の中,経営の基本計画である「福山市上下水道事業中長期ビジョン(経営戦略)」と5年間の「前期実施計画」に基づき,限られた財源を有効活用し,重要度・優先度を踏まえた施設の更新・耐震化に取り組むなど,より一層の経営健全化と市民サービスの維持・向上に取り組んでいるところです。工業用水道は,社会経済活動に不可欠な「産業の血液」として重要なインフラであります。これからも,工業用水を安定的に供給するため,将来にわたって持続可能な事業経営を行い,需要者に信頼される工業用水道事業をめざしていきます。

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