経営の健全性・効率性について
収益的収支比率については、企業債償還が経営の硬直化の要因となっており、一般会計からの繰入金に依存している状況である。企業債残高対事業規模比率については、整備後に新規の借入はしておらず、現在高は減少しているものの、小規模施設の高資本整備による企業債が大きく、また、企業債に充てるべき一般会計負担額について繰出基準割合の算定方法を見直したため、過年度より大きく比率が上がっており、類似団体と比べても高い比率となった。経費回収率については、処理人口も僅少であるため、一般会計からの繰入金に依存している状況である。汚水処理原価については、委託料等の労務単価の見直しや修繕料等の管理経費の増加により、類似団体の平均と比べても高い水準となっている。施設利用率については、前年度と同程度の汚水量により平均以上を維持しているが、過疎化の影響で処理人口は減少傾向にあり、今後は徐々に下がっていくことが予想される。水洗化率については100%で、類似団体の平均を大きく上回っている。
老朽化の状況について
供用開始後18年が経過し、今後の処理機能の維持については、農業集落排水事業の老朽化対策に含めた形で計画的な更新を検討している。
全体総括
長浜市の小規模集合排水処理事業は、1地区の経営で、処理人口も30人に満たず、使用料収入を見込むことができないため、類似団体と比較しても、汚水処理原価は高く、経費回収率と施設利用率は低い状況にある。このため、平成26年度から使用料を公共下水道と統一し、財務改善を行っているが、今後も当該地区の人口減少は否めず、施設の老朽化の進行を考慮すると、経営状況はますます厳しくなることが予想される。また、資本費負担も平成40年度まで残る。