経営の健全性・効率性について
【収益的収支比率】毎年の供用開始エリアの拡大に伴い料金収入も増加する一方で、一般会計からの繰入金が削減されているため、総収益は増加傾向にあるものの増加量は小さい。接続件数増加による維持管理負担金や徴収事務手数料の増加により総費用は大きく増加している。また建設費の地方債償還金が年々増加している。以上のことから、現状の収益の増加量では費用が賄いきれない状況であり、年々比率が下がっている。【経費回収率】類似団体平均値に近づいてはいるが、全国平均の半分以下である。料金収入、汚水処理費は共に増加しているが、水洗化率向上による料金収入の伸びが汚水処理費に比べ大きいため、年々比率は高まっている。【汚水処理原価】類似団体平均値に近づいてはいるが、全国平均の約3倍の汚水処理原価となっている。汚水処理費、有収水量は共に増加しているが、水洗化率向上による有収水量の伸びが汚水処理費に比べ大きいため、少額ずつではあるが愛西市が設定している単価150円(税抜き)に近づいている。【水洗化率】類似団体平均値に近づいているものの、全国平均の約6割に留まっている。新しく供用開始したエリアの初年の接続率は平均約30%と低いが、既に供用開始しているエリアは、年を追うごとに接続率が伸びている。そのため、年々比率は高まっている。
老朽化の状況について
平成21年度供用開始、平成15年度から整備を開始しており、11年が経つ。法定耐用年数以内である。
全体総括
収益的収支比率が100%を超えておらず、赤字経営といえる。供用開始5年を経ている中、水洗化率がまだまだ低いため、料金収入が十分に確保できていない状況である。一方で、費用面では地方債償還金の増大や汚水処理に係る費用が収入の伸びに比べて大きい。経費回収率や汚水処理原価、水洗化率は、適正な数値に少しずつ近づきつつあるため、接続率向上に一層取り組むことや、汚水処理費を削減することが必要であると言える。また水洗化率の向上に伴い、経費回収率が100%に到達すること、汚水処理原価が愛西市の設定単価に到達することが不可能となった場合は、今後使用料を見直し、適正な料金収入の確保を進めていくことが必要であると言える。