経営の健全性・効率性について
平成19年度から平成29年度の水道事業統合に向けて重点的に投資をしてきた中で、平成26年度に中部簡易水道が水道事業に接続統合を行ったことを踏まえ、分析を行う。①収益的収支比率を見ると平成25年度までは、ほぼ全国平均・類似団体平均と一致していたが、平成26年度以降は、平均を下回る数値となった。⑤料金回収率が年々減少傾向、⑥給水原価は、平成26年度以降、類似団体平均値を上回る状況となっている。これらは、上記の接続統合の影響を少なからず受けているが、中山間地域における人口減少及び少子高齢化に伴う、給水使用量の減少に伴う収益の減少が主要因である。投資的経費の観点から見ると、④企業債残高対給水収益比率において、年々増加傾向となっているが、これは、平成29年度の統合に向けて、投資的経費の増加と、財源である市債が増加したためである。施設の効率性の観点から見ると、⑦施設利用率及び⑧有収率が全国平均・類似団体平均値を下回っている。これについては、施設規模の適正化と計画的な施設改良により改善が期待できる。
老朽化の状況について
③管路更新率について、平成24年度以降、増加傾向となっており、特に平成24年度から平成25年度は急激な増加となっている。これは、水道事業に接続統合した中部簡易水道の老朽管更新が要因である。管路の老朽化については施設の老朽化と合わせて今後の大きな課題の1つであり、引き続き計画的な更新が必要である。
全体総括
平成19年度以降、水道事業統合に向けて投資を重ねてきたため、④企業債残高対給水比率、③管路更新率について増加傾向となっているが、これは国庫補助金や過疎債等の有利な財源を活用し、事業を推進した結果である。水道事業に統合する平成29年度以降についても、計画的に事業を実施していく必要がある。経営については、⑤料金回収率の悪化や⑥給水原価の上昇などから健全性が低下しており、水道事業との統合に向けて課題となっている。