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本県は、広い県土、長い海岸線延長、積雪・地滑り、中山間地対策など各種施策に多額の行政需要がある一方で、それを満たす財源である県税収入等の割合が低いことから、指数としては全国中位水準で推移しております。平成26年度は県債元利償還のピークアウトにより0.01ポイント増加、平成27年度は地方消費税等の税収増により0.03ポイント増加、平成28年度は交付税原資化に伴う県民税法人税割の減収等により単年度で減少したものの、3カ年平均では0.01ポイント増加、平成29年度は県費負担教職員の給与負担の政令市移譲に係る税源移譲の影響等により単年度で減少したものの、3か年平均では0.01ポイント増加し、財政力指数は0.46となっております。引き続き、歳出面における内部管理経費等の縮減を図るとともに、税収等の歳入確保策に取り組むことで、財政構造の一層の改善に努めてまいります。
平成26・27年度は税収が増加したことに加え、公債費充当一般財源が減少したことから1.3ポイントずつ減少しましたが、平成28年度は公債費充当一般財源は減少したものの、地方法人税(国税)の創設に伴う法人県民税の税率引下げ等による税収の減少の影響がより大きく、1.9ポイント増加しております。平成29年度の経常収支比率は、分子項目において県費負担教職員の給与負担の政令市移譲に伴う人件費の減が比率の減要素として働いたものの、分母項目において地方交付税の減が比率の増要素としてより大きく働いたため、前年度に比べ1.8ポイント増加し、96.4%となっております。引き続き、歳入確保策を講じていくとともに、事務の効率化、職員の適正配置の推進による人件費の歳出抑制に努めるなど、財政の健全化の確保に努めてまいります。
適正な定員管理や給与構造改革の実施による人件費の抑制に努めており、人件費は減少傾向にありますが、大雪に伴う道路除雪費の増等により、人件費・物件費等の人口一人当たり決算額は、しばしば前年を上回る結果となっています。比較的降雪の少なかった平成25・27年度は前年比でそれぞれ2,235円・1,575円の減、降雪量が多かった平成26・28年度は前年比でそれぞれ2,678円・1,549円の増加となっております。平成29年度は豪雪に見舞われたものの、県費負担教職員の給与負担の政令市移譲により人件費が大幅に減少したことから前年比で11,724円の減少となっております。引き続き、歳出の「選択と集中」を徹底し、人件費をはじめとする内部管理経費の縮減に努めてまいります。
平成18年の給与構造改革時に級別標準職務の見直し等を行い、給与水準の適正化に取り組んでいます。平成22年度から、地域水準に合わせた独自給料表を導入していましたが、平成27年度に給与の総合的見直しを実施し、国準拠の給料表に改正しました。今後とも、引き続き給与水準の適正な管理に努めてまいります。
南北に細長く、海に面し、離島を有するなど特徴的な県域であり、人口の割に可住面積が広いことから、人口の集中平成へい度が低く集落が散在しているため、同様の面積・人口の団体と比べ、県道や河川などの県土の管理コストや産業基盤の維持管理コストが大きく、土木、農林水産、土地改良部門の職員数が多くなっています。これらの地勢的要因等により都道府県平均と比べ職員数が多くなっていますが、引き続き定員の適正化を図るため、地方分権の進展などに伴う県の施策を取り巻く環境や行政需要の動向を踏まえながら、組織のあり方や仕事の内容・進め方などの見直しを政策的に行っていくこととしています。
経済対策・災害復旧に係る県債の元利償還の本格化に伴い、実質公債費比率は平成22年度から増加傾向にありましたが、平成25年度にピークに達しました。借換債を除く実質的な公債費がピークアウトしたことから、平成26年度以降指標は改善を続けてきましたが、平成29年度は分子項目において公債費のうち交付税措置額が減少したことに加え、分母項目において県費負担教職員の給与負担の政令市移譲等に伴い標準財政規模が減少したことから、実質公債費比率の前年比は単年度で1.5ポイント、3カ年平均では0.3ポイント増加し、14.9%となっております。今後とも県債の計画的発行及び償還を図り、実質公債費比率の抑制に努めてまいります。
平成26年度は新病院建設等に公営企業等繰入見込額が増加したこと等により5.7ポイント増加しましたが、平成27年度は分母項目である標準財政規模が増加したこと等から2.1ポイント減少、平成28年度は県立武道館のPFI事業開始に伴う債務負担行為に基づく支出予定額の増加や標準財政規模の減少等により、11.6ポイント増加しています。平成29年度は、県費負担教職員の給与負担の政令市移譲に伴い、分子項目において退職手当負担見込額の減少が比率の減要素として働いたものの、分母項目において標準財政規模が減少したことなどから、比率の増要素としてより大きく働いたため、前年度に比べ16.9ポイント増加し、315.0%となっております。今後とも県債の計画的発行及び償還を図り、財政の健全性確保に努めてまいります。
経常収支比率に占める人件費(退職手当を除く)の比率については、適正な定員管理や給与構造改革の実施により、前年度比で平成25年度は0.1ポイント、平成26年度は0.7ポイント、平成27年度は0.1ポイント減少しましたが、平成28年度は人件費そのものは引き続き減少しているものの退職手当債発行額の減少に伴い1.0ポイントの増加となっております。平成29年度は、県費負担教職員に係る給与負担の政令市移譲等により、前年度比で2.4ポイント、約257億円の減となっております。今後とも、事務の効率化、職員の適正配置の推進による職員数の減や組織・機構の見直し等により、人件費の縮減を図ってまいります。
経常収支比率に占める物件費の比率は、平成23年度以降、ほぼ横ばいの推移となっております。平成29年度は、災害発生に伴う調査費の増加等により約6億円の増加となったことに加え、県費負担教職員に係る給与負担の政令市移譲等による人件費の減に伴い、経常経費全体に占める割合が拡大したことから、比率が前年度から0.3ポイント増加し、3.1%となっております。今後とも、事業の「選択と集中」を徹底していくことにより、内部管理経費の縮減に努めてまいります。
経常収支比率に占める扶助費の比率は、平成26年度は特定疾患扶助費の減等により0.1ポイント減、平成27年度は指定難病扶助費等の増等があった一方、特定疾患扶助費の減等により、平成28年度は障害児入所給付費・負担金の増等があった一方、特定難病扶助費の減等によりいずれも横ばいの0.9%となっております。平成29年度の扶助費は、特定難病扶助費の増等があった一方、肝炎扶助費の減等により、比率は前年度横ばいの0.9%となっております。
維持補修費における道路除雪費の増減に毎年の動向が左右されています。降雪量の多かった平成26年度・28年度は前年度比で?0.4ポイント、?0.3ポイント増加している一方、比較的降雪の少なかった平成25年度・27年度は前年度比で?0.3ポイント、?0.6ポイントの減となっております。平成29年度は、例年に比べ降雪が多かったことから道路除雪費が増加したことなどから、前年度比0.7ポイント増の3.2%となっております。公共施設等総合管理計画に基づき、維持補修費を含む内部管理経費の縮減を図ることで、中長期的な財政構造の改善に努めてまいります。
経常収支比率に占める補助費の比率は、平成25年度は県税収入増に伴う税交付金の増により0.6ポイント、平成26年度は税交付金の増により0.1ポイント、平成27年度も税交付金の増等により1.0ポイント、平成28年度は施設型給付費及び地域型保育給付費負担金の増等により0.9ポイント、前年度比でそれぞれ増となっております。平成29年度は、県費負担教職員に係る給与負担の政令市移譲に伴い県民税所得割臨時交付金の増等により約84億円の増額となったことなどから、比率も2.6ポイント増の23.1%となっております。
公債費の比率は、経済対策・災害復旧等に係る県債の元利償還の本格化に伴い、増加傾向にありましたが、平成25年度にピークに達しました。借換債を除く実質的な公債費のピークアウトにより、前年度に比べ平成26年度は1.0ポイント、平成27年度は1.5ポイント、平成28年度は0.4ポイント減少しましたが、平成29年度は、公債費そのものは引き続き減少しているものの、県費負担教職員に係る給与負担の政令市移譲等による人件費の減に伴い、経常経費全体に占める割合が拡大したことから比率が0.6ポイント増加し、30.5%となっております。今後とも、県債の計画的発行及び償還を図り、財政の健全性の確保に努めてまいります。
平成25年度は分子項目である補助費の増等により前年比0.2ポイント増、平成26年度は税収増により前年比0.3ポイント減、平成27年度は税交付金の増等により前年比0.2ポイントの増、平成28年度は税収の減等による経常一般財源総額の減等により前年比2.3ポイントの増となっております。平成29年度は地方交付税の減等により経常一般財源総額が減少したため、比率は前年度に比べ1.2ポイント増加し、65.9%となっております。今後とも、歳入確保策を講じるとともに、事務効率化、職員の適正配置推進による人件費の歳出抑制に努めるなど、財政の健全性の確保に努めてまいります。
(増減理由)本県における基金全体の残高は、平成27年度末に116,641百万円であったが、平成28年度末に109,381百万円(対前年度比-7,260百万円)、平成29年度末に104,882百万円(対前年度比-4,499百万円)と年々減少している。この減少の主な理由は、減債基金において、公債費負担の平準化や、収支不足に対応するための財源対策として取崩を行ったことによるものである。(今後の方針)基金については、条例等の法令に基づき、それぞれの目的に応じて積立・取崩を行っていることから、今後も、適切に管理を行っていく。また、本県においては、収支不足に対する財源対策として充当可能な基金を財源対策的基金として整理しているが、今後、歳入歳出改革に取り組み、将来の災害等の不測の事態に備えた残高を確保していく必要がある。
(増減理由)本県における財政調整基金の残高は、平成27年度末に6,285百万円であったが、平成28年度末に6,398百万円(対前年度比+113百万円)、平成29年度末に6,880百万円(対前年度比482百万円)と増加している。これは、地方財政法第7条第1項の規定に従い、決算上生じた剰余金を積み立てたことによるものである。なお、平成28年度には2月補正(冒頭提案)で324百万円を取り崩しているが、これは県内で発生した鳥インフルエンザ及び糸魚川大規模火災への対応によるものである。(今後の方針)本県の財政調整基金は、財源対策的基金の1つとして位置付けていることから、今後、歳入歳出改革に取り組み、将来の災害等の不測の事態に備えた残高を確保していく必要がある。
(増減理由)本県における減債基金の残高は、平成27年度末に57,656百万円であったが、平成28年度末に51,330百万円(対前年度比-6,326百万円)、平成29年度末に43,581百万円(対前年度比-7,749百万円)と減少している。これは、公債費負担の平準化や、収支不足に対応するための財源対策として取崩を行ったことによるものである。(今後の方針)本県の減債基金は、公債費負担の平準化や財源対策として取崩を行っている。今後、歳入歳出改革に取り組み、将来の公債費負担の平準化や財源対策に備えた残高を確保していく必要がある。
(基金の使途)本県では、平成29年度末において、財政調整基金及び減債基金のほか、25の特定目的基金を設置している。基金の使途としては、地域医療介護総合確保基金や介護保険財政安定化基金などの国の施策による基金や、地域振興基金や地域福祉基金などの県の独自の施策のために設置した基金がある。県の独自の基金のうちの一部は、財源対策的基金として位置付けている。(増減理由)本県におけるその他特定目的基金の残高は、平成27年度末に52,699百万円であったが、平成28年度末に51,653百万円(対前年度比-1,046百万円)と減少した後、平成29年度末に54,421百万円(対前年度比2,768百万円)と増加に転じている。平成28年度末に前年度から減少した理由は、緊急雇用創出事業臨時特例基金や社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金などの国の施策による基金について、不用額を国へ返還したことによるものであり、平成29年度末に前年度から増加した理由は、国の内示に伴い、国民健康保険財政安定化基金や地域医療介護総合確保基金などの国の施策による基金の積立を行ったことによるものである。(今後の方針)特定目的基金については、条例等の法令に基づき、それぞれの目的に応じて積立・取崩を行っていることから、今後も、適切に管理を行っていく。また、一部の基金については、財源対策的基金に位置付けていることから、今後、歳入歳出改革に取り組み、将来の災害等の不測の事態に備えた残高を確保していく必要がある。
ここに入力
実質公債費比率は、経済対策・災害復旧に係る県債の元利償還の本格化に伴い平成25年度にピークに達しました。平成26年度以降指標は改善を続けてきましたが、平成29年度は県費負担教職員の給与負担の政令市移譲等に伴い標準財政規模が減少したことなどから、単年度、3か年平均ともに増加し、14.9%となっております。また、将来負担比率は、平成26年度は新病院建設等に伴い公営企業等繰入見込額が増加したこと等により増加、平成27年度は分母項目である標準財政規模が増加したこと等から減少、平成28年度は県立武道館のPFI事業開始に伴う債務負担行為に基づく支出予定額の増加や分母項目である標準財政規模の減少等により増加しています。平成29年度は県費負担教職員の給与負担の政令市移譲等に伴い標準財政規模が減少したことなどから増加し、315.0%となっております。今後とも県債の計画的発行及び償還を図り、財政の健全性の確保に努めてまいります。