経営の健全性・効率性について
当期間については、23年度を除きほぼ黒字となっている。しかしながら、収益について使用料だけでは賄いきれないのが現状で、一般会計からの繰出金に依存するところが大きい状況が続いている。また、経費回収率についても、良好とはいえず、接続率が100%近いため、大口企業からの使用料収入と、流域下水道の維持管理費用に影響されるところが大きいと認識している。投資的事業はほぼ完了し、企業債償還額の逓減や、人件費の縮減等を行ってきており、類似団体平均値に比しても汚水処理原価は低水準であり、現状では費用の効率性については、悪い状況とはいえないが、一般会計の状況や今後の施設更新時期を考慮すると、健全経営を続けていくためには、さらに自主財源を確保しなくてはならない状況にあるといえる。
老朽化の状況について
排水管敷設は昭和50年より開始しており、40年が経過している。概ね5年後には、最古の排水管から順次本格的な老朽度の調査を開始することになろう。調査結果によっては、簡易な補修ではなく、耐用年数を前倒しし、本格的な更新工事に着手することも考えられる。また、中継ポンプ場が1基存在するが、平成27年度より本格的な長寿命化対策に着手し多額の費用を要することになる。
全体総括
平成27年度までで新規築造事業は終了する。すでに、企業債の償還も逓減しはじめ、人件費等可能な限り歳出削減に取り組みまた、積極的に基金積立に努めてきた。今後は流域下水道の維持管理はもとより、近い将来、排水管の更新等本格的な維持管理の時代にシフトして行く。このような状況下において、安定した経営を確保するためには、安定した収益に努めなければならない。収益は現在も、一般会計繰入金に対する依存度が高く、一般会計の負担軽減のためにも、自主財源の向上が必要である。したがって、平成27年10月に平均7.7%の使用料改定を行ったところである。