経営の健全性・効率性について
この事業は供用開始後9年目の事業であり、加入率も53.9%と全体の約4割が未加入である。29年度は緊急の故障等もなく、施設の修繕を行わなかったため、経費回収率は高く汚水処理原価は低くなっている。今後の施設更新のための財源の確保のためにも加入率の増加が大きな課題であるが、高齢者世帯及び単身世帯等の後継者のいない世帯が多く、人口減少が進むと思われることから、使用料収入の増加は厳しい状況である。
老朽化の状況について
供用開始後9年目のため、機器の傷みや老朽化は比較的少なく、29年度は故障や修繕作業は行わなかった。29年度までにマンホールポンプ3基中2基のオーバーホールを終え、30年度に最後の1基をオーバーホールする予定である。今後供用開始10年が近づいてくるため、修繕計画を立て計画的に機器の修繕を行い安定した汚水処理に努めていく。
全体総括
供用開始後9年目であり処理区内の約4割は未加入であるため、経営の健全性、効率性の向上の余地はまだ残されている。汚水流量は年間を通して少ないが、大型連休や年末年始等の一日当たりの汚水処理量は多いため、地域特性に合った設備投資であったと考えられる。課題としては供用開始10年が近づき今後増加する修繕や更新費用の確保である。財源確保のためにも加入率を上げていきたいが、高齢者世帯及び単身世帯等の加入意思のない世帯が多く厳しい状況である。今後は28年度末に策定した経営戦略を履行しながら加入促進を図り、使用料の見直しを検討していく。