経営の健全性・効率性について
【収益的収支比率】前年比較で3.63ポイントの減。単年度における使用料収入は、新規設置等により増加しているものの、維持管理経費も比例して増加することから、維持管理経費の節減、コスト削減に努め、使用料で賄えるよう努力が必要である。【企業債残高対事業規模比率】企業債残高の増加により前年度と比較して57.8ポイントの増となり、類似団体と比べても同程度の状況にある。【経費回収率】前年度と比較して9.92ポイントの減。汚水処理費の増加によるものであり、使用料収入で賄えるよう、汚水処理費の節減、削減の努力が必要である。【汚水処理原価】前年度と比較して6.94円増加。汚水処理費の増加によるものであるが、類似団体と比べ低い単価にある。【施設利用率】浄化槽設置基数の増加に伴う施設能力の増加に対し、有収水量が伸び悩んだため、前年度と比較して0.54ポイントの減となっている。【水洗化率】前年比較で0.02ポイントの増。水洗化促進策により増加傾向にあり、類似団体と比べ高い水準にある。
老朽化の状況について
特定地域生活排水処理事業は、公共下水道区域又は農業集落排水処理区域以外の区域を対象にしている事業で、平成11年12月から供用開始し、最も古い市設置型浄化槽は19年が経過してる。浄化槽の耐用年数は30年以上とされ、これまで施設の更新又は老朽化対策等を行っていないが、適正な管理を行い、一度に多額の修繕や更新の経費の負担が生じないよう、長寿命化的な管理が必要である。
全体総括
特定地域生活排水処理事業の持続可能な健全経営の確保のためには、浄化槽の維持管理経費及び更新費用を使用料収入で賄えることが必須である。今後は、浄化槽の維持管理形態の見直しを行いながら、更なる経費削減や適正な料金設定を検討していく必要がある。なお、国から要請されている公営企業会計の適用を令和2年度から適用したことで、企業性と公共性を両立させた安定的な事業運営が求められることから、引き続き施設の効率化、財源確保に努めていく必要がある。