経営の健全性・効率性について
特定地域生活排水処理事業の経営状況については、事業経営に係る単年度の総費用及び浄化槽整備のために借入れした地方債の償還額に対する総収益の割合(収益的収支比率)は、地方債償還額の増加により、近年では減少傾向で推移していたが、総収益の伸びが総費用の伸びを上回ったため平成28年度は増加に転じている。汚水処理に係る費用に対する使用料収入の割合(経費回収率)については約86%であり、、合併浄化槽使用料の増及び維持管理費の減少などにより増加しているものである。なお、汚水処理原価についても維持管理費の減少などにより減少している。特定地域生活排水処理事業については、平成28年度中の下水道整備区域の見直しにより、対象区域が拡大しており、今後も整備は継続して行っていくことから、汚水処理費用についても増加する見込みである。このことから、今後も、浄化槽点検回数の見直しや、適切な清掃時期の見極めを行い、経費削減に努める。
老朽化の状況について
特定地域生活排水処理事業は、公共下水道区域又は農業集落排水処理区域以外の区域を対象にしている事業で、平成11年12月から供用開始しており、最も古い市設置型浄化槽は16年が経過してる。浄化槽の耐用年数は30年以上であり、これまで施設の更新又は老朽化対策等を行っていないが、適正な管理を行い、一度に多額の修繕や更新の経費の負担が生じないように管理していく。
全体総括
特定地域生活排水処理事業の持続可能な健全経営の確保のためには、浄化槽の維持管理経費及び更新費用を使用料収入で賄えることが必須であると考える。そのため、今後は浄化槽の維持管理形態の見直しを行い、更なる経費削減や適正な料金設定を図っていく。なお、公共下水道事業の公営企業会計の適用に合わせて、特定地域生活排水処理事業についても平成32年度からの開始を検討していく。