地域において担っている役割
「生活医療圏」の中での医療の提供、そのための「地域密着型慢性期医療」の基幹病院として、また、在宅医療・訪問看護・介護支援の拠点として、中核病院・地域診療所等との連携を図りながら、初期診療における総合的な判断と診療を行い、救急については一時救急はもとより、可能な限りの二次救急を行っている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率はH28に100%を超えたが、今年度は電子カルテ導入や内科常勤医師の死亡退職による影響が大きく86.3%と平均を下回る結果となっている。医業収支比率についても同様な傾向となっている。病床利用率はH29までは70%以上で平均値を上回っていたが、今年度は外科医師の体調不良による休診の影響等により患者数が減少した。入院・外来とも更なる診療報酬確保へ向けて、施設基準の見直し等を行っていく必要がある。職員給与費対医業収益比率は65.1%と平均を超えた。材料費対医業収益比率は5年連続で平均値を下回っているものの、今後も引き続き材料費の抑制を図る必要がある。
老朽化の状況について
開院から15年目となり、長期的に使用している医療機器の更新は年々増加傾向にあり、R2,1から電子カルテを導入し、その他経費削減のため機器購入を先送りしているものもあることから、それらの計画的な更新はもとより、電子カルテ導入とともに連携する部門システム更新等の必要がある。施設設備についても空調設備の修繕をはじめ経年劣化による設備修繕が増加傾向にあることから計画修繕が必要となっている。
全体総括
R2.2に常勤医師の死亡退職により今年度は常勤医師4名体制と厳しい経営となった。入院延べ患者数は前年度比683人増と横ばい状態で病床利用率は計画より3.4%減の65.8%となった。外来患者数は前年度比2,306人の減で、1日平均患者数では入院が1.7人増加、外来は▲6.7人減少した。そのような中、R2.1からはじまった新型コロナウイルス感染症対策が急務となった。今後においては、電子カルテの導入により医療クラークの充実などを進めることにより業務の見直しを推進し、引き続き医師の負担軽減を図りつつ在宅医療・介護支援機能の充実を目指す。また、新型コロナウイルス感染症対策についても通常医療を確保しつつ、引き続き警戒をしていく。