03:岩手県
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令和元年度の当市財政力指数は類似団体が同値のなか前年度より0.1ポイント増となったが、数値は低位に留まっている。当市の主な内容として、分子となる基準財政収入額は、給与所得者や企業収益の増による市民税や新増築により固定資産税(家屋)の増など市税の増などにより276百万円増となっている。分母となる基準財政需要額算入見込額は、公債費で95百万円の減、道路橋りょう費など事業費補正全体で78百万円の減などがあるものの、生活保護費や教育費の増などにより全体で368百万円増となった。平成28年度からの交付税合併特例措置の逓減の影響により財源の確保がより困難となっていることから、事務事業・公の施設の見直しなど行財政改革を推進し、財政の健全化に取り組んでいく。
令和元年度の経常収支比率は、借入の抑制や平成30年度から据置を設けたことにより公債費で前年度比533百万円減、また、ごみ及びし尿処理施設運営に係る一部事務組合への負担金で前年度比101百万円減となったこと等により経常経費充当一般財源が630百万円減となったものの、地方税で前年度比287百万円減や地方消費税交付金で前年度比245百万円,減となったこと等により一般財源等(臨時財政対策債を含む)が1,024百万円の減となったことから、経常収支比率が1.0ポイント増加した。前年度よりも比率が上昇しており、類似団体と比較しても依然として高い数値であることから、さらなる経費の節減に努めるとともに、今後も旧土地開発公社所有宅地等の売却を進め、第三セクター等改革推進債の早期繰上償還を行っていく必要がある。
令和元年度の人件費は、市町村合併以来継続している一般職の退職者数に対する一定割合以下での採用(平成25年度以降:3分の1)、労務職の退職者不補充による職員削減の効果により、合併直後の平成18年度と比較して277人減で、人口1,000人当たりの職員数では類似団体より0.77人少なくなっている。また、人件費の一般財源については平成18年度と比較して2,418百万円の減となっている。一方で物件費は農林業系廃棄物処理加速化事業などが減少したものの、奥州ふるさと応援寄附事業が56百万円増となるなど、全体として100百万円増となり類似団体平均を上回っている。財政計画においては、経常経費である物件費の削減による効果額を一定程度見込んでいることから、計画とかい離しないよう着実に財政健全化に取り組む必要がある。
平成26年度までは類似団体でも低い水準であったが、類似団体の区分見直しにより、平成27年度以降はほぼ同程度となっている。全国平均と比較しても低い数値で推移してきたが、これは、平成23年度に策定した財政計画の中で、長期的な財政の健全化を図る必要があることから、行財政改革の一環として、平成24年1月から平成28年3月までの4年3か月の間において平均給与を平均4.7%減とする独自の給与削減措置に取り組み約13億円の人件費を削減した。平成28年4月において県の給料表の見直し内容に準拠し若年層の給与を引き上げる一方、高齢層を引き下げることにより平均0.5ポイント程度引き下げており、今後も給与の適正化に努める。
市町村合併以降、一般職の退職者数に対する採用の抑制、労務職の退職者不補充による職員削減を実施しているが、人口減少のペースがそれを上回り、人口当たりの職員数では0.04人の微増となった。類似団体においても同様に微増傾向となったものの、当市においては事務事業の見直しや組織再編等によりサービス低下を防ぎつつ、業務効率化を進めるほか、急激な採用抑制をしてきたことから、年齢構成においてもバランスの取れた定員管理も進めていく必要がある。
令和元年度の実質公債費比率は、前年度と同値となり、依然として類似団体の中では最も高い比率となっている。比率は前年と同値なのは3か年平均値であるためであり、令和元年度の単年度比率では15.8%となり、借入金の着実な返済を推進した効果が出始めている。総合計画における普通建設事業費の上限枠の設定などにより起債借入額の抑制に努める。
令和元年度の将来負担比率は、前年度比2.3ポイントの増となり、依然として類似団体の中では高い比率となっている。新規起債借入の抑制などにより地方債現在高は減少したものの、充当可能基金額の減少が大きかったことなどにより比率が増となった。今後は教育関連施設や病院の整備などに要する起債借入の増が一定程度見込まれることから、今後も事業実施の適正化を図り、財政の健全化に努める。
令和元年度の人件費は、経常一般財源が前年度比40百万円増となり全体では0.7ポイント増となっている。合併以来継続してきた一般職の退職者数の5分の1(平成25年度より3分の1)採用、労務職の退職者不補充による職員削減の効果などがあったものの、令和元年度は選挙費が影響し、全体としては前年度比115百万円の増となっている。合併後の平成18年度以降で比較すると、経常一般財源ベースで2,418百万円の減、職員数では277人の減となっている。
令和元年度の物件費は、教育用コンピュータ管理事業やふるさと応援寄附事業などの委託料の増により、全体として347百万円増となっている。財政計画においては、経常経費である物件費の削減による効果額を一定程度見込んでいることから、計画とかい離しないよう着実に財政健全化に取り組む必要がある。
令和元年度の扶助費は、経常一般財源が前年度比133百万円減となっているものの、前年度比0.2ポイントの増となっている。全体としては、子ども・子育て支援給付事業の159百万円の増などにより、241百万円の増となっている。本市の人口は、平成30年度末と令和元年度末で比較した場合に1,377人減少(住民基本台帳人口)している一方、少子化対策である子ども子育て関連経費などの増により、引き続き増加が見込まれる。
その他に関する経常収支比率が類似団体平均を上回っているのは、繰出金が主な要因であるが、下水道特別会計繰出金が50百万円増、介護保険特別会計(事業勘定)で97百万円増などにより、前年度比127百万円増となっている。また、令和元年度は震災復興特別交付税の前受分472百万円の積立てなどにより、積立金で前年比399百万円増となっている。今後は、下水道事業などの料金の改定や、公共施設総合管理計画個別施設計画の策定による施設の見直しなどにより繰出金や施設修繕の計画的な執行に努める。
令和元年度の補助費等は、経常一般財源が前年度比133百万円減となる一方で、全体ではごみ及びし尿処理施設整備事業費負担事業が3,015百万円増、プレミアム付商品券事業が216百万円増などにより、3,187百万円増となった。下水道事業における公共下水道事業、農業集落排水事業の企業会計移行に伴う負担金の増も見込まれており、物件費同様事業の見直しに取り組む必要がある。
令和元年度の公債費は、合併前市町村で借入した道路整備事業債などが順次終了していったことやプライマリーバランスを堅持した結果や、平成30年度に第三セクター等改革推進債の1,000百万円の繰上償還を実施した反動で、経常一般財源で533百万円減、0.8ポイントの減となっている。類似団体の中では依然として最下位であり、今度も財政計画に基づき新発債の抑制など健全な財政運営を図っていく必要がある。また、旧土地開発公社所有宅地の売払を今後も進め、それを原資とした第三セクター等改革推進債の繰上償還を行っていく必要がある。
公債費を除いた経常経費で多くを占めるのが人件費と繰出金となっている。人件費については、一般職の退職者数に対する採用抑制、労務職の退職者不補充に加え、平成23年度から平成27年度まで平均4.7%の独自給与削減を実施したことから類似団体の平均を上回る数値となっている。繰出金については、人口が毎年千人程度減少しているものの、介護保険など社会保障関係経費が増加傾向となっている。市単独扶助費の見直しを進め、事業の選択と集中による歳出抑制を確実に実行していく必要がある。また、今後、公共施設の維持・更新に多額の経費を見込んでおり、事務事業・公の施設見直し指針に基づき、統廃合を進めていく必要がある。
(増減理由)ごみ焼却施設長寿命化工事にかかる震災復興特別交付税の令和元年度既収分や旧土地開発公社の土地売払収入による増はあったものの、財源不足を補うための財政調整基金の繰入や起債償還のための取崩しなどにより、基金全体としては998,738千円の減となった。(今後の方針)交付税の合併算定替えの段階的縮小に備えて積立期間としてきたが、今後は財政調整基金などの各基金の活用(取崩し)期間としており、平成28年度に策定した財政計画においては、後年度の財源不足に対応するため、令和8年度までの間で全体として約70億円を取り崩すものの、さらに後年度の財源として活用を見込み令和8年度末基金残高について100億円を堅持することとしていたが、令和2年度に見直した財政計画では59億円ほどの基金残高を令和8年度見込額としている。
(増減理由)地方財政法第7条に基づく平成30年度決算剰余金の1/2積立分207,085千円、ごみ焼却施設長寿命化工事にかかる震災復興特別交付税の令和元年度既収分472,088千円、基金運用利子24,139千円、財源不足による繰入-1,395,523千円などにより、全体で687,692千円の減額となった。(今後の方針)普通交付税における合併算定替えによる段階的な縮減が進んでおり、歳入の確保が難しいことから、財政調整基金を活用(取崩し)しての財政運営が見込まれる。
(増減理由)旧土地開発公社の土地売払収入160,197千円、基金運用利子2,101千円、起債償還のための取崩し-318,000千円などにより、全体で155,702千円の減額となった。(今後の方針)旧土地開発公社の土地売払い収入の総額が一定額確保できた場合には、減債基金を取り崩して繰上償還を行うことにより、将来負担の軽減を図る。平成29年度以降の財源不足に備えるため、令和3年度までの間は計画的に毎年2億円の取崩しを行うこととしている。
(基金の使途)○地域振興基金は、地域住民の連携の強化又は地域振興のために設置している。○地域福祉基金は、高齢化社会に対応した地域福祉の増進に要する経費の財源に充てるため設置している。○協働のまちづくり基金は、市民参画を促し、協働のまちづくりを進めることを目的として、地域の創意工夫、判断及び責任によって地域の課題解決を図り、自治意識及び一体感を醸成する地域活動に要する経費の財源に充てるため設置している。○ふるさと水と土保全基金は、集落住民の共同活動の活性化を推進し、もって農村景観の維持保全を図るため設置している。○大規模災害復興基金は、大規模災害による被災者への支援を円滑に推進するため設置している。○森林環境譲与税基金は、森林環境譲与税を、森林の整備及びその促進に関する施策に要する経費の財源に充てるとともに、当該施策を長期的かつ計画的に進めるため設置している。○日高火防祭はやし屋台修繕基金は、町組が日高火防祭で使用するはやし屋台の修繕に要する経費に対する補助の財源に充てるため設置している。(増減理由)地域振興基金積立て199,327千円、同取崩し-200,005千円、森林環境譲与税基金積立て23,120千円、協働のまちづくり基金取崩し-662,650円、地域福祉基金取崩し-30,000千円等により、全体で155,344千円の減額となった。(今後の方針)○地域振興基金については、合併特例債を活用して積立てを行うことから、令和7年度までは一定額を積み立てつつ、財源不足に対応するために毎年取崩す見込みである。○協働のまちづくり基金については、地域振興基金を取り崩して活用している基金であり、引き続き協働のまちづくりに関する事業に充当する見込みである。○その他の基金についても、基金の目的に合致した事業の実施のための財源として計画的に取り崩す見込みである。
有形固定資産の老朽化に伴い、昨年度と比べ1.6%上昇したものの、類似団体平均を僅かながら下回っている。今後は、平成30年3月に改訂した「奥州市公共施設等総合管理計画」、令和3年3月に策定した「個別施設計画」に基づき、人口動態等の変化に対応した公共施設等のあり方を引き続き検討するとともに、施設規模や配置、機能等の適正化を推進していく。
将来負担額は減少傾向にあるものの、旧土地開発公社清算のための第三セクター等改革推進債や新市建設計画に基づく事業実施のための合併特例債など、発行した地方債の残高が類似団体と比較して多額のため、債務償還比率も類似団体と比べると高くなっている。財政計画に基づき、市債の発行額を維持・抑制するとともに、低利資金の活用や資金調達方法の多様化を図ってきたが、引き続き、市債の発行規模等に留意しながら、公債費負担の軽減に努めていく。
プライマリーバランスの黒字を堅持して市債残高を着実に減らしているものの、充当可能基金額の減少が大きかったことなどにより微増となっている。有形固定資産減価償却率は類似団体と比べて低い水準にあるものの上昇傾向にある。上昇傾向の主な要因としては公共施設の老朽化などが挙げられ、老朽化施設の除却が進んでいない部分が大きい。今後は平成30年3月に改訂した「奥州市公共施設等総合管理計画」、令和3年3月に策定した「個別施設計画」に基づき、計画的な維持管理と長寿命化を推進し、公共施設等の維持管理や修繕、更新等に要する中長期的なコストの縮減を図ることにより、財政負担の平準化に取り組んでいく。
実質公債費比率は類似団体と比較して高い水準にあり、平成29年度から上昇傾向がみられる。実質公債費比率上昇の主な要因は、据置期間を置かずに起債償還を進めたことから、公債費が増となったものの、過去に借り入れた市債の償還額がピーク時より減少しているため、今後は低下が見込まれる。将来負担比率についても類似団体と比較して高い水準にあり、プライマリーバランスの黒字を堅持して市債残高を着実に減らしているものの、充当可能基金額の減少が大きかったことなどにより微増となっている。引き続き、市債の発行規模等に留意しながら、公債費負担の軽減に努めていく。