広島県府中市：府中市立湯が丘病院の経営状況（2023年度）

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収録データの年度

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経営比較分析表（2023年度）

地域において担っている役割

当院は、広島県東北部の地域における精神科医療の拠点施設の一つとして、精神科医療のサービスの提供、メンタルヘルスケアや認知症への対応などに取り組むとともに、県内における精神科医療に対するニーズに応えるため、府中市民病院を初めとした医療機関等に医師や医療スタッフを派遣するなどの役割を果たしている。

経常収支比率

医業収支比率

修正医業収支比率

累積欠損金比率

病床利用率

入院患者１人１日当たり収益

外来患者１人１日当たり収益

職員給与費対医業収益比率

材料費対医業収益比率

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率は周辺地域の人口減少や国による地域移行、薬剤による治療効果の向上や長期処方の増加及び病院施設の老朽化などを理由として患者数が大幅に減少したことに伴い、100％を下回った。②医業収支比率についても、前年度の入院収益増加の特殊要因となる新型コロナウイルス感染症の診療報酬加算が、令和5年度についてはなくなったことも影響し逓減傾向にあり、他会計負担金への依存度が極めて高まっている。このことから、④病床利用率も年々低下傾向にあり、⑤及び⑥の一人当たりの収益も横ばい傾向である。全体としては、今後も、⑦職員給与費は人件費上昇圧力による増加、加えて入院収益の減少、物価高騰による経費の増加が見込まれることから、今後の経営においては収益の増加又は費用の抑制につながる対策が必要となっている。⑨累積欠損金比率は、令和５年度は赤字決算となったことから増加した。

有形固定資産減価償却率

器械備品減価償却率

１床当たり有形固定資産

老朽化の状況について

①有形固定資産減価償却率については、類似病院平均値を上回っている。また、②機械備品減価償却率は、類似病院を上回る傾向にあったが、令和５年度については下回った。加えて、③１床当たり有形固定資産については、類似病院平均値を下回り横ばい傾向にある。このことから、当院の施設全体に係る設備投資について、類似病院と比較すると抑制的であることは明らかで、施設の老朽化により新たなニーズに対応しきれていない課題も抱えている。今後の方針としては、現在取り組んでいる病院の施設改修を適正規模で行うことによりハード・ソフト面での経営の健全化に取り組むとともに、新たな医療ニーズにも対応した施設整備にすることにより、利用者が利用しやすく、引き続き精神科医療などの拠点として地域になくてはならない病院を目指すものである。

全体総括

令和５年度においては、近年の患者数減少に伴う入院収益の大幅な減少などに加え、物価高騰や施設の老朽化に伴う修繕費や人件費上昇圧力などを理由とした費用の増加により、経常収支比率は100％を下回り単年度で赤字決算となった。今後は、現在取り組んでいる病院施設の改修事業を進める中で課題の改善を図るとともに、施設基準の見直しや社会全体の高齢化に伴って増加する認知症等への対応の強化、あるいは作業療法や訪問看護を積極的に実施することで収益増を図るなど、新たな収益増の検討、実施を行っていくことによる経営の安定化を図っていきたい。

出典：経営比較分析表,

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