和歌山県：こころの医療センターの経営状況（2017年度）

地域において担っている役割

民間医療機関では対応困難な精神科救急医療を担うとともに、認知行動療法やアルコール依存症患者の治療等、専門医療の充実を図り、県精神科医療の拠点としての役割を担っている。

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	88.8	87.4	102.2	102.4	99.6	104.3
類似団体内平均値（％）	99.9	100.0	101.3	101.1	101.2	100.9

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	80.3	82.6	75.3	76.7	69.5	70.7
類似団体内平均値（％）	69.7	69.6	69.1	69.8	69.4	68.9

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	172.3	186.3	79.1	76.3	85.2	81.8
類似団体内平均値（％）	121.4	122.5	112.4	109.9	109.5	110.7

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	80.7	81.5	77.7	76.5	70.3	67.1
類似団体内平均値（％）	73.6	74.2	73.6	74.8	73.4	72.3

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（円）	16490.0	16994.0	16912.0	16809.0	16587.0	16738.0
類似団体内平均値（円）	18070.0	18742.0	19795.0	20395.0	20681.0	21037.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（円）	6849.0	7369.0	7337.0	7153.0	6506.0	6347.0
類似団体内平均値（円）	8671.0	8812.0	8588.0	8536.0	8502.0	8542.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	83.9	79.6	86.2	83.8	93.8	98.3
類似団体内平均値（％）	94.0	93.6	93.6	93.7	94.7	95.6

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	10.7	8.3	7.4	7.1	6.5	6.4
類似団体内平均値（％）	11.5	11.0	9.9	9.3	8.9	9.0

経営の健全性・効率性について

平成29年度単年では経常収益は減少したが、主に経費の削減や償却期間終了による減価償却費の減少により経常収支が改善し、経常収支比率が100%を上回った。それに伴い、累積欠損金比率も減少した。入院患者数の減少が続いており、病床利用率も低下している。新規入院の減少による長期入院患者割合の増加や外来デイケアの減少等の傾向は続いており1人1日あたり収益の大幅な改善には至っていない。また、外来を含めた患者数減少により収益が減少傾向であるが、施設維持のための経費や人件費等の削減幅は収益の減少まで賄い切れておらず、費用-収益に関する比率が思うように改善されていない。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	39.1	41.9	50.8	54.5	58.1	59.0
類似団体内平均値（％）	37.7	39.0	43.7	44.3	46.7	48.4

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	26.4	24.5	62.6	66.7	72.4	56.4
類似団体内平均値（％）	51.6	52.4	59.8	61.8	66.3	70.0

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（円）	28212683.0	28306033.0	28441797.0	28585760.0	28633770.0	28388900.0
類似団体内平均値（円）	23249373.0	23558262.0	24879291.0	26363375.0	26996532.0	27577179.0

老朽化の状況について

平成14年前後に病院を建て替え、同時に器械備品等の配備をまとめて行った。それから10年以上が経過し、当時導入した設備の老朽化が進んでいる。平成29年度に電子カルテを導入したため、器械備品減価償却率が減少した。

全体総括

患者数の減少に伴い収益の減少が続いているため経営の安全性・効率性に関する指標の改善は進んでいない。また、建物や構築物への大規模な投資は平成14年前後以降行われておらず、施設全体での老朽化は進んでいる。平成28年度に作成した第4次中期経営計画に基づき、病棟の再編や専門外来の充実等新たな取組みを行うことで、経営の安定化及び医療機能の強化を図っていく。