経営の状況について
○「収益的収支比率」数値が100%未満であり、単年度において赤字である。これは令和2年7月に取水口横の排砂ゲートが破損したため、発電停止による売電収入の減収に加え、排砂ゲートの復旧経費が発生したためである。なお、令和3年3月からは取水が可能となったことから安定した発電を再開している。○「営業収支比率」当年度の営業収支は黒字を示しているが、前年度の比率の半分程度に大きく減少している。これは令和2年7月に取水口横の排砂ゲートが破損したことによって発電を停止し、売電収入が減収となったことに加え、排砂ゲートの復旧経費が発生したためである。○「供給原価」当年度は前年度までの2倍程度に大きく増加しているが、これは令和2年7月に取水口横の排砂ゲートが破損したことによって発電を停止し、売電収入が減収となったことに加え、排砂ゲートの復旧経費が発生したためである。○「EBITDA」収入のほとんどは売電収入であることから、天候等の環境的要因に左右されやすい。当年度は特に、荒天に端を発した取水口横の排砂ゲート破損により、売電収入が大幅な減収となった。なお、令和3年3月からは取水が可能となったことから、安定した売電を再開している。
経営のリスクについて
○「設備利用率」取水している河川の水量では、発電機の最大出力を確保できる期間が出水期に限られており、昨年度までの年間平均では、最大出力の60%程度である。しかし当年度はその出水期前において取水口横の排砂ゲートが破損し発電できなくなったため、設備利用率は前年の半分程度に減少した。○「修繕費比率」取水口横の排砂ゲートが破損したことから、予定していた修繕を先延ばししたため、比率は減少した。○「企業債残高対料金収入比率」平成29年7月からの操業再開及びFIT適用価格による売電開始によって黒字経営を確保しているが、令和2年7月の取水口横の排砂ゲート破損により、当年度は比率が大きくなった。しかし令和3年3月からは取水が可能となったことから、安定した発電が再開しているため、令和19年度までに返済は完了する見込みである。○「FIT収入割合」売電収入は全てFITを適用した九州電力への売電によるものである。このため、固定価格買取制度の調達期間終了後における減収リスクを考慮しつつ、経営を行う。
全体総括
昭和31年に操業開始した発電所であるが、平成29年度に発電設備(水車・発電機)と発電所建屋の更新工事が完了し、併せてFITによる売電を開始したことで、安定的に健全な経営を行うことができるようになった。FIT適用期間は平成29年7月開始で、令和19年度までの20年間。また、売電能力を現在の420KWhから510KWhに増大させる試験を予定していたが、新型コロナウイルスの影響により令和4年度に延期している。令和元年12月に策定した都城市電気事業経営戦略に基づき、今後も継続して健全かつ適正な経営管理に努めることとしている。しかし、令和2年7月に取水口の排砂ゲートが故障したため、8ヶ月に及ぶ発電停止による売電料の減収に加え、排砂ゲート更新工事に伴う支出のため、基金を取り崩すこととなった。