経営の健全性・効率性について
経常損益については、「経常収支比率」が100%以下であり、収支状況は赤字を示しております。また、厳しい経営環境を受けて「累積欠損金」も発生しました。「料金回収率」は、給水人口の減少もあり、類似団体の平均値を下回っております。そのため、料金収入のみで費用が賄えず、一般会計からの繰入金を受けて運営している状況です。なお、「流動比率」については、100%を超えていますが、水道事業からの一時借入金(年度内に返還済)を受けており、必ずしも十分な支払い能力を有しているとは言えない状況にあります。「企業債残高対給水収益比率」については、現在、上水道事業への統合に向けた施設等整備に係る事業を実施していることから、類似団体の平均値を上回っております。今後も適正な投資規模を検証し、計画的に事業を実施していきます。「給水原価」は、近年の設備投資により、減価償却費や委託料が大きくなっているため、類似団体の平均値を上回っております。今後も同様の水準で推移していくと考えられるため、経費削減に努めていく必要があります。「施設利用率」は66.77%で、類似団体の平均値と大きな差はありません。引き続き、適正規模を検証しながら、効率的な施設運用を進めてまいります。「有収率」は、類似団体の平均値並みですが、依然として、配水管等における漏水が多く発生しています。今後は、漏水多発地域における老朽管更新を推進し、有収率の向上を図ってまいります。
老朽化の状況について
「管路更新率」は、現在、上水道事業への統合に伴う整備が進んでいることもあり、類似団体の平均値を上回っておりますが、「管路経年化率」は高い水準にあり、更新を必要としている老朽管がまだ多数存在している状況にあります。今後、整備予定の施設台帳及び管路台帳の作成により、資産の現状を正確に把握し、計画的な更新投資を実施してまいります。
全体総括
令和元年度より、簡易水道事業は地方公営企業法の全部を適用しました。給水収益については、年々減少傾向にあり、一方で施設等の老朽化に伴う更新費用は増加しています。厳しい経営状況にある中で、より効率的な事業運営を推進していく必要があります。また、上水道事業への統合にむけて施設整備を進めておりますが、計画の実施状況及び今後の収支計画等を検証しながら、既存施設の更新等を含めた計画的な事業の推進が必要となります。今後は、令和2年度策定予定の経営戦略に基づき、更なる経営の健全化及び効率化を進めてまいります。