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地方財政ダッシュボード

熊本県美里町の財政状況(2021年度)

🏠美里町

地方公営企業の一覧

簡易水道事業 特定地域生活排水処理


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2021年度)

財政力指数の分析欄

人口の減少並びに高い高齢化率(平成29年10月現在44.1%県内3位)、町内に経済のエンジンとなる産業の不存在等により財政基盤が弱いため、財政力指数は類似団体と比しても大きく下回っている。移住定住政策の推進により財政基盤のみならず、町の体力増強に努めるとともに、歳出面では行政サービス等の民間委託の実施等を行うことで行政の効率化に努め、財政の健全化を今後とも図る。

経常収支比率の分析欄

近年増加傾向にて推移しているが、これは普通交付税の激変緩和措置期間に合わせて、合併特例債を活用し基金造成を行ったことで公債費が増嵩していることが主たる要因である。また、交付税の合併算定替の激変緩和措置期間の影響により交付税額が逓減していることも少なからず影響している。合併特例債による基金造成の影響は短期的なものだが、今後中期的には震災関連の起債の償還の影響を見込んでおり、長期的には宇城広域連合実施の大型事業に伴う公債費負担金の影響により高い水準を推移することが見込まれる。以上のように中長期的に固定的な費用負担が見込まれる状況であるため、新規の公債費については抑制に努める必要がある。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

物件費については、減少に転じた。昨年度は新型コロナウイルス感染症対策としての備品購入費等により大きく増加しており、当該事業が完了したため減少したものと思われる。一方人件費については、職員数の増加や新型コロナウイルスワクチン接種等の感染症対応に係る人件費が増加しているため、前年からの一人当たり決算額押し上げる要因となっている。平成30年度より部分的に職員の補充を行わず民間委託の活用等を行っており、今後も人件費・物件費双方について留意しつつ、総額の削減をできる方法を模索していく。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体、全国町村平均をともに度下回る状況にあるが、今後も定員管理計画等に基づき、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

普通会計部門の職員については令和2年度現員数(130名)であり、他団体への職員派遣や新たな制度に伴う業務量が増えることで令和元年度から4名増えている。また町内人口の減少幅が大きいこともあり、人員の減少を行わなければ「人口1,000人当たり職員数」は増加する環境にある。庁舎の分庁方式や給食調理の自校方式の見直し等今後、本町の地域性によりを考慮しつつ住民サービスの維持を大前提に、負担が過大とならないよう検討を行っていく。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率については平成30年度までは平成19年度から28年度に取り組んだ財政改革による公債費抑制の効果により減少傾向にあったが、平成28年の熊本地震等災害関連の公債費の償還及び平成27年度より造成を行っている合併特例債に係る基金造成分等の償還の影響により悪化傾向にある。今後、宇城広域連合において実施されている大型建設事業に伴う元利償還金の増加が見込まれる状況にあり数年間は悪化傾向が続くものと思われるため、今後も有利な起債の活用等による負担の軽減を図る必要がある。

将来負担比率の分析欄

充当可能財源の維持により将来負担比率は低水準を維持している。今後宇城広域連合による大型事業の財源としている起債のために、組合等負担等見込額の増加が見込まれるため、支出状況を注視し財政の健全化に引き続き努める必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)

人件費の分析欄

人件費は昨年度と比べ1.5ポイント改善している。職員は1名増となっているが、年度途中の採用退職等があったため経常一般人件費は微増でとどまった。令和5年度より定年延長制度が開始となるため、増加すると考えられるが、今後も民間委託で効率化を図る業務、職員が必要な業務の精査をする。

物件費の分析欄

昨年に比べ1.1ポイントの減少している。これは、昨年度は新型コロナウイルス感染症対策に係る需用費・備品購入費等が増加していたが今年度ではそれらが少し落ち着いたものと思われる。一方で原油価格高騰の影響による光熱水費・燃料等の増加がみられる。今後はDXの推進により、デジタル機器の整備が必要となるため増加すると見込まれる。

扶助費の分析欄

昨年より1.4ポイント改善しているが、施設型給付費等負担金が大きく減少したものが要因と考えられる。今後、少子高齢化等による扶助費の割合は増加傾向にあると考えられるため、安定的なサービス提供のため財源確保等健全な財政運営に努める。

その他の分析欄

その他の経常収支比率ついて昨年度より0.4ポイント減少しているが、類似団体より高い水準で推移している。下水道事業、簡易水道事業等の特別会計への繰出金が全体的に増加しているためである。今後、法適用事業となることを見据え事業の健全化を進めていく。

補助費等の分析欄

類似団体平均と比べて4.5ポイント下回っており、前年度比で1.6ポイント減少した状態にある。今後、一部事務組合が借入を行った公債費に係る負担金の支払いが長期的に発生するため、一部事務組合に対する負担金は増加していく。今後も単独補助金、団体運営補助金について、定期的な事務事業評価等の効果の検証を行い、歳出の抑制を図る。

公債費の分析欄

前年と比べ1.7ポイントの減少となっている。これは、令和2年度で旧合併特例債の償還が完了したことによると考えられる。返済期間が2年間のため元利償還金が大きく、そのことも要因として考えられる。しかしながら、合併特例債を活用し基金造成を目的とした起債を借り入れていることに加え、平成28年熊本地震関連事業の起債の元金償還が始まるため、高い水準が続くものと思われる。今後の起債発行については計画的に行う。

公債費以外の分析欄

昨年と比べて6.0ポイント減少している。これは新型コロナウイルス感染症対応に係る事業実施の一方、感染症拡大により通常実施していた事業が縮小・中止となったことが要因と考えられる。経常経費について不断の見直しを行い、経常的な経費に充当可能な財源の確保を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

平成28年熊本地震及び豪雨災の影響により、災害復旧費(被災施設の復旧)が高い状態が平成28年度より続いていたが、発災後5年が経過し減少傾向にある。消防費については昨年度までは消防団車両の入替を行っていたため類似団体平均を上回っていたが、事業が完了し今年度は類似団体平均と同程度となった。教育費については社会教育施設及び社会体育施設の改修及び修繕等を行ったため昨年度に引き続き高い水準となっている。公債費について増嵩がみられる原因は合併特例債を活用し基金の造成を行っていることが大きく影響している。当該、基金造成に係る起債の償還がおおむね令和6年をピークに続き高い水準が続くため、今後地方債の発行に際しては、交付税措置率の高いものを活用する、発行額の抑制を行う等、健全な財政運営を行うことに念頭に置くこととする。民生費ついては介護保険別会計への繰出額昨年度と同様に高い水準にある。本町は現在、県内上位3位に入るほど高齢化率が高く今後も高齢化率の高止まりが予想される状況のため、予防事業等を推進することで費用の漸減を目指す。また、今年度は国の事業である子育て世帯等臨時特別支援給付金事業(住民税非課税世帯等分)、子育て世帯生活支援特別給付金事業の実施、及び昨年度に引き続き新型コロナウイルス対策として福祉保健センター湯の香苑の空調改修工事を行っているため昨年度以上にコストが上昇している。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

災害復旧事業費については平成28年熊本地震並びに豪雨災害以降、類似団体よりも非常に高い水準であったが、災害の発生から5年度が経過した当該年度では大きく下がり、平成27年度以前の水準に近づきつつある。普通建設事業費については、計画的に社会資本整備総合交付金事業等を活用し整備に取り組んでおり、それに加えて町保有施設の老朽化に伴う改修工事、学校の通信ネットワーク整備工事等を行っている。また、新型コロナウイルス感染症対策として施設整備工事等(155,377千円)を行っていることもあり類似団体平均よりも高い水準となっている。扶助費については町の独自施策であるこども医療費の助成事業、県の施策である重心医療扶助制度により類似団体平均よりも高い水準にあるものと思われる。積立金について高い水準が続いているがこれは、交付税の合併算定替の縮減に合わせ、合併特例債を活用し基金の造成を行っていることが大きく影響している。併せて当該、基金造成に係る起債の償還がおおむね令和6年をピークに続くため高い水準が続くため、今後地方債の発行に際しては、交付税措置率の高いものを活用する、発行額の抑制を行う等、健全な財政運営を行うことに念頭に置くこととする。

実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)

分析欄

令和2年度よりも翌年度に繰越すべき財源額が減少しているが、実質収支は77,472千円増加しており、実質単年度収支は赤字から黒字に転じた。財政調整基金は主に公有財産購入及び庁舎空調設備改修工事事業への充当財源として取り崩している。財政調整基金残高については、今後宇城広域連合の大型施設整備に係る建設費・公債費負担金について令和32年度まで約13億円の一般財源が必要となるため、減少していく見込みである。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)

分析欄

令和3年度決算は、すべての会計において黒字であり、前年度に比べて一般会計は78百万円増額し、特別会計においては2百万円の増額となり、黒字額は全体として80百万円増額した。一般会計においては、歳入総額が804百万円減少したが歳出総額も823百万円減少したため、黒字額が増額となった。国民健康保険特別会計は、歳入総額が42百万円の増額となり、歳出総額が31百万円増額したことから、全体の黒字額は11百万円増額した。介護保険特別会計は、歳入総額が1百万円の増額となり、歳出総額が15百万円減額したことから、全体の黒字額は16百万円増額した。

実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

令和3年度についても、合併特例債に係る基金造成を行った影響で元利償還金は同水準で推移している。また、今後平成28年熊本地震関連事業の償還が始まるため、元利償還金については増加し、令和6年度をピークに減少に転じるものと見込んでいる。交付税算入率の有利な起債の活用を行い実質公債費比率の上昇の抑制を図っているところであるが、実質公債費比率(3ヵ年平均)が6.4%と、増加傾向にあるため計画的な財政運営に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2021年度)

分析欄

将来負担比率は、将来負担額を充当可能財源が上回っているものの、将来負担比率の分子のマイナス額が減少している。将来負担額については、地方債現在高は105百万円、退職手当負担見込額が121百万円それぞれ減少している。その一方で組合等負担金等見込額が宇城広域連合が行っている大型施設整備の影響により251百万円、公営企業債等繰入見込額は5百万円それぞれ増加となった。充当可能財源等については、充当可能基金において特定目的基金に積立てたこともあり、総額で429百万円の増額となっており、地方債残高に対応する基準財政需要額算入見込額も171百万円減少した。前年度と比べて将来負担額30百万円増加したのに対し、充当可能財源等が251百万円増加しているため、将来負担比率への影響は最小限にとどまっている。

基金残高に係る経年分析(2021年度)

基金全体

(増減理由)全体では497百万円増加しており、主な原因は特定目的基金が496百万円増加したことである。なかでも水道事業基金と公共施設整備基金が増加額の約8割を占めている。水道事業基金は、水道未普及地域の旧中央地区への水道拡張事業に備えて積立てを行っており、公共施設整備基金については、今後需要が急増する公共施設マネジメント計画に基づき行う老朽化施設の維持改修費等に対応するため、積立可能な範囲で積立を行っている。(今後の方針)中長期財政見通しでは、財政調整基金残高は減少していく見通しである。減債基金については、宇城広域連合における大型施設整備事業(汚泥再処理施設・ごみ処理施設・消防本部庁舎建設)における後年度の公債費負担金総額が令和23年度までに約1,060百万円をとなるため、可能な限り積み増しを図りたい。なお、公共施設整備基金については現在策定が進んでいる公共施設マネジメント計画の個別施設計画及び学校長寿命化計画により、国庫補助金や地方債以外の対応財源として可能な範囲で積立を行っていく。

財政調整基金

(増減理由)公有財産購入及び庁舎設備改修工事事業に係る臨時的な一般財源とするため120百万円を取り崩した。(今後の方針)宇城広域連合の大型施設整備にかかる建設費負担金により今後も取り崩しが見込まれるが、積立については毎年度の決算状況を踏まえ、歳出剰余金処分での積立を基本とし、合併当初持ち寄った額800百万円を下回らないよう標準財政規模の4%程度を目安としている。

減債基金

(増減理由)令和6年度の公債費のピークに向けて令和3年度から高水準で推移するため、公債費負担の平準化に資するため33,000千円及び熊本地震災害廃棄物処理基金分の災害対策債の償還に充てるため2,885千円を繰り入れた。なお、積立ては臨時財政対策債償還金費用の44,031千円及び利子積立の9千円であり、前年度から8,155千円と増加なった。(今後の方針)宇城広域連合の大型施設整備にかかる公債費負担金を令和24年度までに総額で1,246百万円と見込んでいるため、対応可能な範囲で積立を行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)地域振興基金の使途は町の振興及び地域活性化事業の費用に充てることとなっている。公共施設整備基金の使途は公共施設の整備に要する経費に充てることとなっている。水道事業基金の使途は水道施設の整備に要する経費及び簡易水道事業にかかる町債の償還の財源に充てることとなっている。(増減理由)水道事業基金は現在、町内の水道未普及地域の解消事業へ取り組むことを計画しており、そのために250百万円を増加している。公共施設整備基金は今後の公共施設マネジメント計画及び個別施設計画策定に沿った事業実施による公共施設等の更新・除却等を見据えて、140百万円を増額し積み立てた。また、地域振興基金は、普通交付税の合併暫定替縮減分を積み立てることとし89百万円の増加となった。(今後の方針)地域振興基金は合併特例債の基金造成限度額程度まで積立を行い、取り崩しについては地域振興に係る事業に適宜充てていく方針としている。公共施設整備基金は、起債対象とならない維持補修等の施設改修に充てていく方針で、公共施設マネジメント計画の個別施設計画が実行されるに際し、必要な取崩しを行う。水道事業基金についても対象となる事業の施行に合わせ適宜で取り崩しを行う予定としている。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体平均よりも1.7%低い値となっていますが、個別の償却率を見てみると公営住宅で74.4%、公民館で77.0%、福祉施設で70.3%など類似団体平均値を上回る高い数値になっています。後年度の計画的な改修のために公共施設整備基金への積み立て等により財源確保に努めます。

債務償還比率の分析欄

債務償還比率については類似団体平均より77.9%高い401.9%となっていますが、全国平均や、県平均と比べると低い数値となっており、健全な償還が可能であると考えられます。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

平成30年度以降は将来負担比率は発生しておらず、類似団体を大きく下回っています。これは充当可能財源等の基準財政需要額算入分が有利となる辺地債、過疎債、旧合併特例債を活用していること、広域連実施の大型工事に係る負担金に対応するために造成していることなどが要因と考えます。有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値と近似値にありますが、公営住宅、公民館、福祉施設等については償却率が高いため、今後更新、改築、改修等が進めば将来負担率が上昇すると見込まれます。今後は、美里町公共施設等マネジメント計画に基づいた管理を行うことで後年度の財政負担の平準化・適正化を図る必要があります。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

平成30年度以降は将来負担比率は発生しておらず、類似団体を大きく下回っています。実質公債費比率についても前年と変わらず6.4となており、類似団体内平均値を、1.6%下回っています。将来負担比率は引き続き交付税算入公債費等に有利な地方債の活用を図ることで上昇を防ぐこととしておりますが、簡易水道事業の拡張工事が本格的に始まり、水道事業基金や財政調整基金の減少等により今後は上昇することが懸念されます。同じく実質公債費率についても簡易水道事業等の財源として起債額が上昇することで、中長期的には避けられないと見込まれます。

施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は数値が無いもの以外では、すべての施設において県平均を上回っています。認定こども園・幼稚園・保育園、公営住宅、公民等等については類似団体内平均値と比較して償却率が高くなっています。これは多くの公共施設が昭和50年代に建設されており、施設の老朽化が進んでいることが要因です。また、道路において一人当たりの延長が国・県平均に比べて大きくなっていることについては、本町の面積広さ及び人口の減少に起因するものと考えられます。今後は美里町公共施設等マネジメント計画及び個別施設計画を基に各施設の長寿命化、改修、統合、除却等を行うとともに後年度の財政負担に対応すべく公共施設整備基金の活用を図っていきます。

施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率は数値が無いもの以外では、すべての施設において県平均を上回っています。福祉施設、一般廃棄物処理施設、保健センター・保健所については類似団体内平均値と比較して償却率が高くなっており、体育館・プール、消防施設・庁舎については低くなっています。一般廃棄物処理施設については広域連合において消防本部の建て替えやクリーンセンターの更新等を行っています。一人当たりの面積については類似団体と比較しても広く、国・県平均を大きく上回っているのは、本町が合併団体であり重複する施設を有していること、分庁方式を採用していることなどが要因となっています。今後は美里町公共施設等マネジメント計画及び個別施設計画を基に各施設の長寿命化、改修、統合、除却等を行うとともに後年度の財政負担に対応すべく公共施設整備基金の活用を図っていきます。

財務書類に関する情報①(2021年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

これまでに一般会計ベースで38,450百万円の資産を形成してきています。その資産のうち87.3%は土地や建物、工作物などの有形固定資産およびソフトウェアなどの無形固定資産で形成されています。また、基金は固定資産、流動資産併せて4,080百万円所有しており資産の10.6%を占めています。一方で将来世代が負担すべき負債は9,047百万円となっており、資産に対して23.5%となっています。将来負担の多くを占めるのは、地方債が8,064百万円です。また、地方債の中には国からの地方交付税措置を受ける臨時財政対策債が約27億円あります。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

毎年継続的に発生する費用である経常費用は約69億円となっています。うち人件費や物件費などの業務費用が3,871百万円で55.8%補助金や他会計への繰出金など外部へ支出される移転費用が3,067百万円で44.2%、減価償却費は約17億円となっています。一方で、サービスの対価として徴収する使用料や手数料、受取利息などが該当する経常収益は389百万円となっており経常費用に対して5.6%となっており、臨時邸に発生した損益を含めて、最終的な行政コスト(純行政コスト)は6,836百万円となっています。今後は水道未普及地域への拡張事業や他会計への操出金の上昇が見込まれるため、行政コストの点検と行政運営の合理化に努めていく必要があります。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

行政コスト計算書で計算された純行政コスト6,836百万円に対して、町税や各種交付金、分担金や負担金、他会計からの繰入金である税収等は4,771百万円、国県からの補助金が2,122百万円となっており、純行政コストと財源の差額は57百万円となっています。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

経常益な活動収支においては、1,312百万円の黒字となっています。それに対し、投資活動収支は▲1,188百万円となっています。主な投資活動支出として、公共施設等整備支出で1,099百万円、基金積立金支出が708百万円となっており、主な投資活動収入として、公共施設整備に係る補助金337百万円、基金取崩収入が191百万円となっています。財務活動収支は▲105百万円となっていますが、これは町債を償還した額が発行額を上回っているため地方債の減少につながっています。

財務書類に関する情報②(2021年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は合併直前に旧町毎に整備した公共施設(庁舎、文化交流センター、総合体育館等)の他、社会資本総合交付金事業や道整備交付金事業によるインフラ整備を実施してきた経緯があり類似団体と比較しても大きくなっています。美里町公共施設等マネジメント計画において長寿命化を図る一方、適正な施設量にするために複合化・除却等により保有量を減らす(40%削減)ことが目標を定めており、施設保有量がわずかに減少したものの、人口減少が進んだことで一人当たりの資産額は10.1万円増加しています。歳入対資産比率については資産合計は減少傾向にあるものの、今後は水道施設の拡張、庁舎、学校、体育・文化施設等の大規模な改修を控えており、増加する要因となると見込まれます。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均値に近似しており資産の合計は令和2年から63百万円増加しています。債務の多くを占めるものは地方債であり、将来世代負担比率は、有形、無形固定資産方形が683百万円減少したのに対し地方債残高(特例地方債の残高を控除した額)は増加し、比率は0.4%増加したものの類似団体平均値を1.5%下回っています。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストについては純行政コスト968百万円減少したものの人口も277人減少したことから、8万円の減少にとどまり、類似団体平均値と近い数値となっています。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額については、平成28年度の熊本地震・豪雨災害により災害対策債や災害復旧事業債の地方債発行が影響し、平成28年度から増加傾向にあったが、令和2年度から減少に転じており、令和3年度については前年度と比較すると2,304百万円減少したものの人口も277人減少したため、住民一人当たりの負担額は4千円増加する結果となりました。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は経常収益が掲揚収益は1,504百万円増加し経常費用は7,985百万円減少したことから当該値は2.5%増加しました。これを類似団体平均値と比較すると4.2%低くなています。今後は維持補修費の増加が顕著に表れることが予測され、適宜公共施設や水道等の各種使用料を見直すとともに公共施設マネジメント計画及び個別施設計画に沿った長寿命化・集約化を図っていく必要があります。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,