砥部町：公共下水道

経営の健全性・効率性について

①経常収支比率について単年度収支の比率としては100％を超えているが、経常収益の約40％を営業外収益として一般会計からの繰入金で賄っている。この営業外収益の約20％が基準外繰入であることから、今後は下水道の普及により使用料収入が増加してくると、基準外繰入が抑制される。②累積欠損金比率について前年同様に使用料収入が増加しており、欠損金は発生していない。③流動比率について企業債の償還が流動負債の主であり、今後償還額も増加していくことから、運営に支障をきたすことが無いよう一定資金の確保、未収金の回収及び接続推進による収入確保が重要となってくる。④企業債残高対策事業規模比率について企業債の償還については、全額を公費負担している。将来的に接続率が上昇すれば収入も増加するため、①で分析のとおり、公費負担を抑制できると予想される。今後も効率的な整備を実施していく必要がある。⑤経費回収率について今年度も経常経費以外の費用（全体計画及び事業計画の見直しに係る委託料等）が発生したため、対前年度と同等の比率となった。有収水量の増加により収入は増加しており、経費回収率も徐々に上昇してくると思われる。⑥汚水処理原価について類似団体平均値を超えているが、（1.現段階では投資による整備中であること2.普及率が28.25％であり現況からは投入コストに見合った使用料収入が十分に見込めていないこと）今後は普及による使用料収入が徐々に増加していくと考えられるため、処理原価も下がっていくと思われる。⑦施設の利用率について依然全国平均には及ばない状況ではあるが、接続率の上昇に伴い、利用率も年々上昇している。引続き未接続者への対応が重要となってくる。⑧水洗化率について処理区域内において、みなし浄化槽及び汲み取りトイレを使用している未接続者がいるため、毎年「下水道の日」啓発活動の取組みとして対象者を戸別訪問し、接続推進を継続していく必要がある。

老朽化の状況について

当町の公共下水道事業は、供用開始から７年と間もないため、現在も管渠の布設整備を行っており、管渠の修繕実績がない状況である。今後においても事業計画に基づき、腐食の恐れがある箇所のマンホール点検を実施し、適正な管理を実施していく。

全体総括

処理区域の拡大により、都市計画区域内の整備を終える平成38年度あたりまでは、順調に使用料収入も増加していく。しかし、有収水量の増加による処理場費用及び整備済み取得資産の減価償却費も増加していくと思われるため、費用対効果を踏まえた整備検証を重ねていく必要である。また、平成31年度から松山市の一部地域から排出される汚水の処理を当町で受託することにより、効率的な使用料収入の増加が期待できる。接続人口の増加による施設の効率性も年々上昇していくと思われる。