経営の健全性・効率性について
①について99.97%となっており、100%未満となっている。主な要因は、前年度比で使用料収入が増収しているものの、下水道事業の基本構想見直しに係る計画策定費用及び、当該年度より企業会計職員の退職給付費について、事務組合における積立金を除いた不足分のうち、当事業会計で負担すべき額を引当金として計上したことによる営業費用の増加に因る。②前年度に続き、使用料収入が増収したことと、単年度では経常損失となったが前年度の繰越利益剰余金により欠損金は発生していない。③使用料収入が増加したものの、建設費に充てるための企業債について単年度元金償還額が徐々に増加していくため、流動資産の確保に努める必要がある。④企業債の公費負担については、現状では全額を公費負担している。今後、下水道接続率が上昇すれば使用料収入も増加して経営面でも公費負担を抑制させることができると予想されるため、公費負担額を減少させるよう負担率の考え方について今後検討する必要がある。⑤経費回収率が64.45%となっており、対前年度比16.17%低くなっている。①と関連するが、営業費用の増加に伴い、基準外繰入額が増加したことが大きな要因と考えられる。退職給付金の確保のため当該年度から発生した退職給付費引当金については、後年度は不足分についてのみ繰入するため、大きな増額はないと考えている。⑥については、①で述べたように計画策定費用と退職給付費引当金の計上により単発的に費用が増加したため、28年度は汚水処理原価が増加した。有収水量は順調に増加しており、今後は汚水処理原価は下がっていく見通しである。⑦接続率の増加に伴い、施設利用率も年々増加している。全国平均には及ばないが、下水道整備を推進し接続率の向上へ努めていきたい。⑧おおむね横ばいである。未接続者への啓発として「下水道の日」に合わせた戸別訪問を毎年実施しており、接続促進のため今後も継続して実施していく予定である。
老朽化の状況について
当町の公共下水道事業は供用開始から6年を経過して現在も管渠の整備中であるため、管渠の老朽化率はゼロである。管渠の修繕も発生していないため、実績はゼロとなっている。新たな事業計画ではマンホール内や管渠の定期点検を実施するよう定められており、年に1回、特に腐食のおそれのある箇所のマンホールの点検を実施している。腐食による劣化は確認されておらず、異常はない。点検実施記録により、適正管理していく。
全体総括
処理区域の拡大により、順調に有収水量が増加しており、使用料収入が増収となっている。28年度は下水道事業の基本構想見直しや、退職給付費引当金の計上により①や⑤、⑥への影響があり経営指標でみた効率性がやや低くなった。しかし⑦に見るように施設の効率性は上昇しており、整備が進んだことによる施設稼働の効率化は図られている。近隣市町村との連携においては、松山市の一部地域から排出される汚水の処理を当町で受託することになっており、平成31年度からの受入れを予定している。