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2012年度
2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2021年度)
財政力
財政力指数の分析欄
財政基盤は脆弱で自主財源が乏しく、類似団体平均を大きく下回っている。市内産業の低迷が続く中、市税収入の横ばいが続き、今後は人口減少による地方税減が想定される。令和3年度は国税収入の増額等による地方交付税の歳入増が見られたが、平成30年7月豪雨災害にかかる復旧経費も依然として最重要課題となっており、引き続き厳格な枠予算を徹底し、従来の行政評価等の手法の改善、事業の見直し・整理を行い、行政のスリム化、業務の効率化を図ることで、持続可能な財政基盤の確立に努める。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
経常収支比率は昨年度から4.0ポイント減少しており、これは地方交付税の歳入増加が要因となっている。類似団体と比較して人件費、公債費が多額となっているため類似団体平均値を上回り、また90%超の比率となっており、財政の硬直化が懸念される。今後も引き続き、職員の計画的な採用等により義務的経費の縮減に努めるとともに、当該年度償還金以上の起債の新規発行を行わないなど、公債費の抑制を図る取組みを行う。また公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の集約を図り、固定的経費削減に努める。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口1人当たりの金額が類似団体平均を上回っているのは、旧5町の合併により514.34?と広範な区域に公共施設を有し、類似団体と比較して職員数が多いためである。平成30年度は豪雨災害に係る人件費・物件費が大幅に増加し、その後は災害経費の減少によりやや減少したものの、新型コロナウイルス感染症に係る物件費の増加もあり、高水準で推移している。今後、オフィス改革、窓口改革、地域づくり活動センターへの移行による小規模多機能自治を推進し、組織のスリム化と業務の効率化を図り、さらなる定員適正化に努める。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
前年度と同等の指数であり、類似団体平均値よりも低い値になっている。今後も人事評価制度の運用により、給与水準の適正化に努める。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
定員管理計画を基本に退職者補充調整や事務事業の抜本的な見直しを行い定員適正化を図り、一般職員等の職員数は旧5町合併後の平成17年4月1日の682人から今年度は522人と、160人減少しているが、現在も類似団体と比較して職員数が大幅に上回っている。今後は組織や機構、業務の見直しを行う西予市オフィス改革及び窓口改革を推進するとともに、令和5年度から公民館を地域づくり活動センターに移行することで小規模多機能自治の推進を図り、引き続き人員の適正配置、民間委託の推進、有能な人材の確保等により適切な定員管理に努める。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
前年度から0.9ポイント増加し、類似団体平均を上回った。主な要因は、平成30年度起債事業(災害廃棄物等処理事業、防災行政無線デジタル整備事業等)の元金償還開始による元利償還金の増額のためである。今後も元利償還額等の増加により、実質公債費比率は増加する見込みであるため、引き続き、地方債の発行抑制、基準財政需要額への算入率を重視した起債を選択することで、指標の増加を抑えたい。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
前年度から8.8ポイント減となったが類似団体平均を大きく上回っている。令和元年度以降の大幅な増加の主な要因は、地方債現在高の大幅な増加(大型事業及び平成30年7月豪雨災害における復旧事業等)と、災害復旧経費に対応するため財政調整基金をはじめ特定目的基金を大幅に取崩したためである。令和3年度は地方債現在高の減等により改善がみられたが、大型事業による地方債現在高は増加し、将来負担比率は増加する見込みであり、引き続き投資的経費の抑制、地方債の計画的管理による残高の抑制を図り、財政の健全化に努める。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2021年度)
人件費
人件費の分析欄
人件費に係る経常収支比率は、類似団体平均を4.6ポイント上回っている。これは、類似団体と比較し、給与等の水準は低いものの、職員数が多いことが要因となっている。今後は、定員管理計画に基づき、組織の統廃合による組織のスリム化、民間委託等の推進、指定管理者制度の活用、行政事務の効率化などを図ることで、職員数の削減に努める。
物件費
物件費の分析欄
物件費に係る経常収支比率は、類似団体平均を1.6ポイント、令和2年度を1.0ポイント下回っている。物件費の内訳を見ると、施設の維持管理に係る委託料が大きな割合を占めていることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合を含めた全体の見直しを行い、今後も行政コストの省力化に努める。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費に係る経常収支比率は、類似団体平均を0.8ポイント下回っているが、全国平均を上回る高齢化率などの影響が懸念される。当市の高齢化率は上昇傾向にあり、今後も、医療、介護事業等、扶助費の増加が見込まれるため、総合的な対策が必要である。
その他
その他の分析欄
その他に係る経常収支比率は、類似団体平均を2.1ポイント、令和2年度を0.8ポイント下回っている。特別会計への繰出金が減少したことが主な要因であり、今後も計画的な繰出しとなるよう努める。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等に係る経常収支比率は、類似団体平均を3.1ポイント下回っているが、令和2年度を0.4ポイント上回っており、上昇傾向にある。当市の財政状況から、今後も同等の補助費等を維持することは難しく、補助金、負担金等の公費負担の在り方について、細部に渡り見直しが必要である。
公債費
公債費の分析欄
公債費に係る経常収支比率は、類似団体平均を7.0ポイント上回っている。これは、地方債の元利償還金が膨らんでいることが要因となっている。今後も公債費は、増加が見込まれ、非常に厳しい財政運営となることが予想されることから、予算編成時に起債の上限枠を設け、地方債総額の抑制に努める。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外に係る経常収支比率は、類似団体平均を3.0ポイント下回っているものの、人件費の割合は、高い水準で推移している。今後も高齢化率等の進展により、経常的な扶助費の増加が懸念されることから、定員の適正化による人件費の削減に努めるほか、その他事務事業の見直し等による経費の削減に努める。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
目的別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり903,872円となっており、令和2年度の住民一人当たり972,598円から68,726円減少した。目的別で見た主な減少要因は、総務費、土木費、消防費及び教育費の減によるもので、総務費では、特別定額給付金給付事業費等の減により、住民一人当たりのコストは令和2年度から47,642円減少した。土木費では、災害公営住宅整備事業費等の減により、住民一人当たりのコストは令和2年度から12,836円減少した。消防費では、防災行政無線デジタル整備事業費等の減により、住民一人当たりのコストは11,861円減少した。教育費では、せいよ東学校給食センター建設事業費等の減により、住民一人当たりのコストは21,452円減少した。類似団体との比較では、農林水産業費、消防費、災害復旧費及び公債費が類似団体平均を大きく上回っている。農林水産業費では、住民一人当たりのコストは類似団体平均を33,719円上回っている。当市の産業構造上、第1次産業に従事する割合が19.5%と高いことなどが要因となっている。消防費では、住民一人当たりのコストは類似団体平均を10,211円上回っている。合併した5町のうち旧三瓶町の常備消防が八幡浜市一部事務組合の管轄となっており、その負担金等の影響により高い水準で推移している。災害復旧費では、住民一人当たりのコストは類似団体平均を21,653円上回っている。平成30年7月豪雨災害からの復旧事業が続いていることによる影響が大きく、今後は減少の見込みとなっている。公債費では、住民一人当たりのコストは類似団体平均を44,675円上回っている。近年大型の整備事業が集中したことに加え、平成30年7月豪雨災害からの復旧事業による地方債の元利償還金が膨らんでいることが要因となっている。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2021年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり903,872円となっており、令和2年度の住民一人当たり972,598円から68,726円減少した。性質別で見た主な減少要因は、補助費等の減によるもので、特別定額給付金給付費の皆減などにより、住民一人当たりのコストは令和2年度から115,460円減少した。一方で、扶助費においては、住民税非課税世帯及び子育て世帯に対する臨時給付金給付費の支出に伴い、住民一人当たりのコストは令和2年度から30,399円増加した。類似団体との比較では、失業対策事業費、維持補修費以外の項目で類似団体平均を上回っており、特に人件費、普通建設事業費、災害復旧事業費及び公債費が大きく上回っている。人件費では、住民一人当たりのコストは類似団体平均を34,277円上回っており、類似団体と比較し、給与等の水準は低いものの、職員数が多いことが要因となっている。普通建設事業費では、住民一人当たりのコストは類似団体平均を39,956円上回っている。公共施設等が老朽化による更新の時期を迎えていることなどが主な要因となっていることから、保有施設の総量縮減、統廃合・複合化を推進し、更新整備に要する経費を抑制する必要がある。災害復旧事業費では、住民一人当たりのコストは類似団体平均を21,653円上回っている。これは、平成30年7月豪雨災害からの復旧事業が続いていることによる影響が大きく、今後は減少の見込みとなっている。公債費では、住民一人当たりのコストは類似団体平均を44,678円上回っている。これは、近年大型の整備事業が集中したことに加え、平成30年7月豪雨災害からの復旧事業による地方債の元利償還金が膨らんでいることが要因となっている。
実質収支比率等に係る経年分析(2021年度)
分析欄財政調整基金残高は平成30年7月豪雨災害復旧経費のため平成30年度に大幅に取り崩し、以降毎年取崩しのため減額となっており、令和2年度までの実質単年度収支は3ヵ年連続赤字となった。令和3年度は財政調整基金の取崩しを行っているものの、国税収等の増による地方交付税の歳入増もあり、前年度と比較して実質収支は約5億2千万円の増、標準財政規模に占める割合では2.95ポイントの増となり、実質単年度収支は約9億円の増、標準財政規模に占める割合では5.66ポイントの増となっている。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2021年度)
分析欄全会計において赤字は発生していないが、公営企業に対しては一般会計から繰出しをしており、中には赤字補てん的な繰出を行っている会計も存在する。公営事業経営については、十分な分析・検討を実施したうえで経費負担の適正化に努める。また、将来にわたる収支見通しを明らかにし、一般会計からの財政援助に安易に依存することのないよう健全運営を徹底しつつ、今後も黒字の維持に努める。なお、公共下水道事業会計、簡易水道事業会計については令和2年度に特別会計から公営企業会計に移行したため、令和元年度以前の数値が表記されていない。
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実質公債費比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄元利償還金について、平成30年度一般単独災害復旧事業債及び緊急防災・減災事業債等の元金償還が開始となり、償還完了額に対し元金償還額が大幅な増となったこととによる。今後も元金償還額は高水準で推移し、算定分子は増加する見込みであるため、地方債の発行抑制等で、指標の増加を抑えたい。
分析欄:減債基金
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将来負担比率(分子)の構造(2021年度)
分析欄加算要因である公営企業債等繰入見込額については、公共下水道事業会計の一般会計繰入金の減、病院事業会計の平成31年度起債事業の償還開始等による地方債残高の減により減少となり、一般会計等に係る地方債の現在高についても元金償還額に比べ借入額が少なかったことにより減少となった。これらのことから算定分子の減となった。令和4年度からはPFI事業による債務負担行為に基づく支出予定額が大幅に増加し、今後も将来負担比率は増加する見込みであるため、引き続き行財政改革を推進し、投資的経費の抑制、地方債の計画管理による残高の抑制を図る。
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基金残高に係る経年分析(2021年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)平成30年7月豪雨災害を受けた復旧・復興に要する経費、扶助費・公債費の増のほか、新型コロナウイルス感染症対応による収支バランスの調整を図るため財政調整基金2.5億円を取り崩したことの要因等により基金全体としては1.3億円の減額となった。(今後の方針)合併算定替えの影響による地方交付税の減少及び近年の大型事業の実施による地方債残高の増加に伴う公債費の増加により、収支の財源不足分を財政調整基金で補填するとともに、公債費の増加分について減債基金を償還財源とする傾向が続く見通しである。災害対応等に備え財政調整基金の確保維持が急務であり、歳入見合いの収支バランスに努めるととともに、長期的な対応となるが公債費の圧縮のため、令和7年度以降において市債の枠を設定するなどにより対応することを検討している。特定目的基金については、令和5年度から開始する地域づくり活動センターの経費として地域振興基金を毎年度一定額を取り崩すこととしており、その他特定目的基金についても減少していく見込みである。中長期的な収支バランスによる財政改革に努めたい。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)財政調整基金の令和3年度末残高は24.0億円であり、前年度末と比較して、2.5億円の減額(9.3%減)となった。この要因として、平成30年7月豪雨災害を受けた復旧・復興に要する経費、扶助費・公債費の増のほか、新型コロナウイルス感染症対応による収支バランスの調整を図るため取り崩しを行ったものである。(今後の方針)当市の中長期的な財政見通しにおいて、財政調整基金は毎年度一定額取り崩す計画であるが、平成28年度末残高48.3億円に対し半減している状況にあり、災害時における柔軟な財政出動に備え、一定程度の確保は必要な状況にある。また、今後も続く公債費の増加が財政を圧迫する状況にあるため歳出予算の全体的な削減に努め、収支バランスの適正化により財政調整基金の取り崩しを圧縮する。
減債基金
減債基金
(増減理由)減債基金の令和3年度末残高は12.7億円であり、前年度末と比較して1.6億円の増額(14.3%増)となった。公債費の増加による償還財源として3億円を取り崩しているものの、交付税措置等による積立により増額となったものである。(今後の方針)当市の公債費については、近年の大型建設事業の実施により、令和10年度に償還のピークを迎える予定となっており、地方債残高の増加による公債費の増加が財政を圧迫する見通しである。今後も毎年度3億円程度を取り崩す計画としている。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)当市においては、災害対策、公共施設の整備など、特定の目的を計画的に達成するため、各種特定目的基金を設置している。主なものとして、市民の連帯の強化又は地域振興に要する経費の財源に充てる地域振興基金、災害の発生に際し、その復旧に要する経費の財源に充てる災害対策基金、公共施設の整備等に要する経費の財源に充てる公共施設整備基金、学校施設整備基金、庁舎建築事業基金等が挙げられる。(増減理由)特定目的基金全体の令和3年度末残高は64.5億円であり、前年度末と比較してほぼ同額となった。(今後の方針)特定目的基金のうち地域振興基金については、令和5年度開始する地域づくり活動センターに関連する経費として今後継続的に取り崩す予定としているとともに、消防庁舎の大型建設事業等に関連し、公共施設整備基金・消防関連基金の取り崩しを計画しており、取り崩しが続くものと見込まれる。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
本市は514.34?に及ぶ広範な区域に、旧5町ごとに目的が重複する施設等があり老朽化が著しいため、平成28年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合を検討し、施設の集約化・複合化や除却を進めている。令和3年度は老朽化した施設の除却等に努めたが、有形固定資産減価償却率は昨年度より0.2ポイント悪化した。有形固定資産減価償却率は類似団体平均と比較して下回っているが、年々悪化していくことが予想され、今後、個別計画を策定することで適正な施設マネジメントに努める。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
債務償還比率は類似団体平均を上回っており、主な要因として本市は、収入のうち特に税収が乏しく財政基盤が脆弱である一方で、将来負担額のうち地方債残高は高い状況が続いている。特に平成30年7月豪雨災害の復興経費や新型コロナウイルス感染症対策等の経費のため財政調整基金等を取り崩し、充当可能財源が減少している。令和3年度は地方債残高の減少等により改善傾向となったが、今後、大型事業等の実施により地方債残高は増加する見込みで、債務償還比率は上昇することが予想される。このため、行財政改革を推進し、地方債を財源とする投資的経費の抑制に努める。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担比率については、類似団体平均を上回っており、令和2年度から8.8ポイント改善している。これは、令和3年度において、地方債の償還額が借入額により大きいことから地方債残高が減少したことや、公営企業債等繰入見込額が令和2年度と比べ大きく減少したためである。今後、大型事業等の実施により地方債残高が増加することから、将来負担比率は上昇する見込みである。有形固定資産減価償却率について類似団体平均を下回っている主な要因としては、認定こども園・幼稚園・保育所39.4%、図書館が10.3%、一般廃棄物処理施設が38.3%と類似団体平均を下回っていることが挙げられる。しかしながら福祉施設の有形固定資産減価償却率は86.9%、体育館・プールは78.2%と、老朽化が著しく、これら施設は類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が特に上回っており、公共施設等総合管理計画に基づき、除却・更新など老朽化対策に取り組んでいく。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
実質公債費比率は類似団体平均を上回っており、令和2年度から0.9ポイント悪化している。今後も、大型事業等の過疎対策事業債及び合併特例事業債の元金償還金、債務負担行為に基づく支出予定額の増加を見込んでおり、将来負担比率の増加とともに実質公債費比率も上昇すると予測している。将来負担比率、実質公債費比率は類似団体平均が減少傾向にある一方で、当市は今後増加の一途をたどる見込みであるため、行財政改革を推進し、投資的経費の抑制、地方債の計画管理による残高の抑制を図り、将来持続可能な財政構造の確立に取り組んでいく必要がある。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が特に高くなっている施設は、公民館、公営住宅であり、特に低くなっている施設は、認定こども園・幼稚園・保育所、児童館である。公民館については、公民館施設で25施設、分館施設で16施設保有しており、経過年数により有形固定資産減価償却率は増加傾向であることや、本市は広範な区域に集落が点在することから、類似団体と比較して一人当たりの面積が非常に高くなっている。公営住宅については、平成27年4月時点で市営住宅が875戸あり、市公営住宅等長寿命化計画の期間内である令和5年までに用途廃止・集約を行い80戸の削減を検討しているが、平成30年7月豪雨災害に伴う災害公営住宅の建設もあり戸数が増加している(令和3年度末で計876戸)。児童館については、2施設のうち1施設(野村児童館)が図書館施設と複合化していることで、有形固定資産減価償却率が抑えられている。保育所については、公立保育園の民営化及び統合を推進し、令和元年度に明浜地域の1施設を民営化、令和2年度は平成30年7月豪雨災害により被災した旧野村保育所の建替等、令和3年度は旧土居保育所の解体により減少している。いずれにしても旧5町ごとに目的が重複する施設等があるため、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の統廃合を含め全体の見直しを行い、適正な施設運営に努める必要がある。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
施設情報の分析欄
類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、体育館・プール、福祉施設であり、特に低くなっている施設は、図書館、一般廃棄物処理施設、庁舎である。体育館・プールについては、学校再編計画に基づいた統廃合により、廃校となった体育館を社会体育施設として管理しているため、有形固定資産減価償却率及び一人当たり面積ともに類似団体と比較して上回っている。高齢者福祉施設は、機能を他の施設に集約できるものについては統廃合を検討し、既に集会所としての活用が主な利用状況となっている場合は地区への譲渡も含め検討する。一般廃棄物処理施設については、平成28年度に施設を統合新設したことにより有形固定資産減価償却率が低くなっている。令和元年度より有形固定資産減価償却率が大幅に減少した図書館・庁舎については、令和元年度に西予市民図書館を解体し西予市図書交流館として移転新築によるもの、明浜支所の旧施設を解体し移転新築を行い消防出張所、金融機関の入った複合施設として市民の利便性を向上させた。また、本庁舎は平成23年に建築され比較的新しい施設であるが、令和3年度に立体駐車場建築の為、庁舎第2別館の解体を行っていることや、本庁舎以外の4支所のうち、野村支所についても老朽化が著しく、今後、支所機能以外も兼ね備えた複合施設として改築を計画している。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、資産総額が前年度末から560百万円の増加(+0.6%)となった。金額の変動が大きいものは事業用資産と現金預金となるが、事業用資産は四国西予ジオミュージアム等の完成により531百万円が増加し、流動資産の現金預金は普通交付税の国の補正予算に伴う再算定追加交付等により業務収入が374百万円増加した。資産総額のうち有形固定資産の割合が86.5%を占めており、これらの資産は将来の維持管理等の支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設等の適正管理に努める必要がある。また、一般会計等における負債総額は前年度末から706百万円の減少(△1.6%)となった。金額の変動が大きいものは固定負債の地方債434百万円の減少である。水道事業会計、公共下水道事業会計、病院事業会計等を加えた全体では、資産総額は前年度末から167百万円減少(△0.1%)し、負債総額は前年度末から1,507百万円減少(△2.3%)した。第三セクター、一部事務組合を含む連結では、資産総額は前年度末から171百万円減少(△0.1%)し、負債総額は前年度末から1,470百万円減少(△2.2%)した。
2.行政コストの状況
一般会計等においては、経常費用は23,804百万円となり、前年度比2,721百万円の減少(△10.3%)となった。移転費用のうち補助金等が新型コロナウイルス感染症対策の特別定額給付金等の減で前年度比2,972百万円の減少(△27.6%)となった一方で、業務費用の物件費が新型コロナウイルスワクチン接種等の委託料の増により前年度比797百万円の増加(+27.1%)となった。純経常行政コストは前年度比2,995百万円の減少(△11.6%)となったが、臨時損失が災害復旧事業費の減少により前年度比463百万円の減少(△27.8%)となり、純行政コストは前年度比3,424百万円の減少(△12.5%)となった。今後も公共施設等の適正管理を図り経費の縮減に努める。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が4,511百万円多くなっている一方で、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、移転費用のうち補助金等が10,245百万円多くなり、純行政コストは一般会計と比べて10,159百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上し、経常収益が6,814百万円多くなっている一方で、補助金等が15,748百万円増加など、経常費用が22,874百万円増加し、一般会計と比べて純行政コストは16,080百万円多くなっている
3.純資産変動の状況
一般会計等においては、税収等の財源(25,744百万円)が純行政コスト(23,878百万円)を上回ったことから、本年度差額は1,866百万円(前年度比+503百万円)となり、純資産残高は58,675百万円(前年度比+1,266百万円)となった。財源のうち税収等は普通交付税の国の補正予算に伴う再算定による追加交付等があり前年度と比べ、1,034百万円増加したが、国県等補助金については新型コロナウイルス感染症対策に係る特別定額給付金等の減少により、前年度と比べ3,956百万円減少した。平成30年7月豪雨災害及び新型コロナウイルス感染症対策等の影響で純行政コストは平成30年度から急増しており、今後も復興経費を優先しつつ経費の抑制に努める必要がある。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて税収等が3,632百万円多くなっているが、財源(35,826千円)が純行政コスト(34,037百万円)を上回ったことから本年度差額は1,789百万円となり、純資産残高は74,867百万円(前年度比+1,340百万円)となった。連結では、後期高齢者医療広域連合への国県等補助金等が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が15,975百万円多くなっているが、財源(41,719千円)が純行政コスト(39,958百万円)を上回ったことから本年度差額は1,762百万円となり、純資産残高は76,756百万円(前年度比+1,299百万円)となった。
4.資金収支の状況
一般会計等においては、業務活動収支は4,440百万円であったが、投資活動収支については、投資活動収入が投資活動支出を下回り△3,666百万円となっている。財務活動収支については、地方債の発行額が地方債償還支出を下回ったことから、△376百万円となっており、本年度末資金残高は前年度から398百万円増加し、1,862百万円となった。来年度以降も大型事業で起債した元金償還が始まることから、今後、事業の見直しを行うとともに地方債等の発行を抑制する必要がある。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料があることなどから、業務活動収支は一般会計等より967百万円多い5,407百万円となっており、投資活動収支では、△3,800百万円となっている。財務活動収支は△912百万円となり、本年度末資金残高は前年度から695百万円増加し、4,947百万円となった。連結では、業務活動収支は一般会計等より1,075百万円多い5,515百万円となっており、投資活動収支では、△3,860百万円となっている。また、財務活動収支は△971百万円となり、本年度末資金残高は6,393百万円となった。
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
合併後514.34kmに及ぶ広範な区域に旧5町ごとの公共施設があり、保有する施設数が多く老朽化も著しいため、施設の集約化・複合化や除却を進めており、住民一人当たり資産額は、類似団体と比較して平均を上回り、歳入額対資産比率及び有形固定資産減価償却率は、類似団体と比較して平均を下回る結果となった。しかし、公営住宅、社会体育施設、福祉施設については類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が高い状況である。今後の人口減少、少子高齢化などにより、将来的に厳しい財政状況が見込まれる中、健全な財政運営のためにも、平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画(令和3年度改定)及び令和4年度に策定を予定している個別計画に基づき、公共施設等の統廃合を含め全体の見直しを行い、適正な施設運営に努める必要がある。
2.資産と負債の比率
純資産比率は類似団体平均を下回っている一方で、将来世代負担比率は類似団体平均を上回っている。その要因としては、近年の大型事業の実施に伴い、地方債現在高が年々増加していることにある。一方で、令和3年度において普通交付税の国の補正予算に伴う再算定追加交付等によある増加があったものの、今後は横ばい傾向となり財政調整基金等の財源対策用基金残高については減少していくと予想されるため、将来負担比率は増加していくと考えられ、新規に発行する地方債の抑制を行い、将来世代の負担の減少に努める必要がある。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは類似団体平均を上回っているが、昨年度に比べて減少している。純行政コストは平成30年7月豪雨災害及び新型コロナウイルス感染症対策等により令和2年度まで大幅に増加していたが、本年度においては、新型コロナウイルス感染症対策等の特別定額給付金等の減もあり大幅に減少している。また、経常費用のうち物件費等が約30.6%を占め、人件費についても約19.8%を占めているため、類似団体と比べて住民一人当たり行政コストが高くなる要因となっていると考えられる。公共施設等の適正管理を図り経費の縮減に努めるとともに、行財政改革の取組を通じて人件費の削減に努める必要がある。
4.負債の状況
負債額は前年度から減少しているが、住民一人当たり負債額は類似団体平均を大きく上回っている。令和3年度は地方債発行額が地方債償還支出を下回ったことから減少となったが、近年の大型事業の実施に伴い、地方債現在高は年々増加傾向となっているため、今後も新規に発行する地方債の抑制を行い、地方債残高の縮小に努める必要がある。基礎的財政収支では、業務活動収支が黒字となっている一方で、投資活動収支においては赤字となっているが、基礎的財政収支は+768百万円となっている。投資活動収支が赤字となっているのは、地方債を発行してジオパーク拠点施設整備事業等を実施したことなどによる。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は、前年度は類似団体平均を下回っていたが、今年度は前年度と比べて経常費用が2,721百万円減少(△10.3%)し、経常収益が273百万円増加(+34.8%)したため、前年度から増加し、類似団体平均を上回っている状況にある。これは、新型コロナウイルス感染症対策等にかかる補助金等の減により経常費用が著しく減少したためである。税負担の公平性・公正性や透明性の確保に努めるため、公共施設等の使用料の見直し等を行うとともに、行財政改革により、経費の削減に努める。
類似団体【Ⅰ-1】
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網走市
稚内市
美唄市
芦別市
紋別市
士別市
名寄市
根室市
深川市
富良野市
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