経営の健全性・効率性について
各指標から料金設定が適切でない事がうかがえる。流動比率からは現金確保の必要性が考えられ、施設利用率・水洗化率は平均からみて問題ないレベルであるのに対し、経費回収率が低く汚水処理原価が高いのは、維持管理費が多大である事が原因だと考えられる。これら指標結果を踏まえながら維持管理費削減に努め、更新計画を策定し経営をしていく必要がある。平成26年11月に料金改定を実施し、たびたびの改定や大幅な値上げは現実的ではないが、経営の安定化を図るためには料金改定を視野に入れた経営が必要であると考える。
老朽化の状況について
管渠老朽化率からみて管渠改善率が低いのは問題ないと思われる。ただ財源確保の観点から有形固定資産償却率には計画策定の取組等を行い、注意を払っておく必要がある。
全体総括
突発的な修繕等の大きな支出がない限り、維持管理費の削減に努めながら、急激な更新は避け企業債残高を減らしていけば、収支バランスは徐々に改善に向かい健全性・効率性もゆるやかに向上する事が見込まれる。ただ、将来の管渠更新時期に備え現金確保を考えつつ経営を行っていかなければならない。そのためには維持管理費削減のみならず料金改定を視野に入れた経営を考えざるを得ない状況であり、それらを踏まえた上での施設更新計画も必要であると考える。