経営の健全性・効率性について
収益的収支比率(①)は年々改善され、平成27年度は100%を超えました。水洗化率は横ばい状態ですが、使用料収入が微増となっています。また、維持管理経費の削減により汚水処理原価(⑥)が減少し、経費回収率(⑤)が改善され、全国平均値を大きく上回ってほぼ100%となっています。地区別にみると、公共下水道に接続している網代地区、田後地区の経費回収率が100%を大幅に超えているのに対して、処理場を有する東地区は約55%となっています。債務残高については、新たな投資がないため、順調に減少しています。漁村部における人口減少、高齢化が著しく、さらには節水機器の普及により、施設利用率(⑦)が低下しており今後も排水量・使用料収入ともに減少していくことが想定されます。水洗化率は約94%をキープしており使用料収入の伸びが期待できないことから、資本費平準化債の活用により耐用年数の長い資産(管渠等)にかかる元金償還費を平準化し汚水処理経費を軽減することにより経営の安定化を図ることが必要です。
老朽化の状況について
網代地区が平成元年に、東地区が平成12年に、田後地区が平成16年にそれぞれ供用開始しました。現在のところいずれの処理区も老朽化による管渠の異常は見られませんが、マンホールポンプの更新時期が到来しています。今後、中期的には計画的なマンホールポンプの更新と管渠の適切な点検を行い、長期的には施設の更新時期を見極めて計画していくことが必要となります。
全体総括
収益的収支比率(①)をはじめ、いくつかの指標で改善傾向にあり経営の健全化が進んでいます。引き続き、安定した事業運営のため、維持管理経費の更なる削減と元金償還費の平準化を図るとともに、将来的には、汚水処理施設の見直しを含めた検討を行うことが課題であります。