経営の健全性・効率性について
・健全性これまで行ってきた普及促進事業の拡大により生じた歳入額と歳出額の大きな差を補うため一般会計からの繰入金を投入してきた。近年は事業の健全化の取組みにより収支差は大幅に減少しほぼ収支均衡の状態となり平成26年度末において、累積赤字を解消した。平成27年度末においても、実質収支は昨年度と同様に黒字である。だが、歳入については、使用料収入が約60~70%を占めるなか、人口減少や節水器具の普及により減少傾向である。そのため、平成27年度においては①収益的収支比率が減少している。また、使用料単価が昨年度と同水準であり、⑥汚水処理原価が昨年度より上昇していることから、⑤経費回収率の減少につながっていると想定される。歳出については、H19・22・23年度において国の補償金免除繰上償還制度の適用を受けて償還利子の軽減を図り企業債残高も減少してきたため、経年で類似団体平均値より低い水準を維持している。・効率性平成27年度末で人口普及率94.9%水洗化率98.27%となり事業としては概成してきており、近年は工事費用に対する整備人口・整備面積や使用料収入等の投資効果の低下がみられる。また、寝屋川北部流域下水道及び淀川左岸流域下水道という2つの流域下水道に接続しており、特に淀川左岸流域下水道は二市で構成されているため管理運営費の負担も大きく、汚水処理原価が類似団体よりも高くなる傾向がある。なお、施設利用率については、単独処理場を設置していないため、当該値を計上していない。
老朽化の状況について
・老朽化状況平成22~26年度の長寿命化計画期間で実施した改築工事により平成25・26年度において、類似団体の平均値を超える管渠改善率となった。なお、平成27年度における管渠改善率は、昨年度とほぼ同水準であった。平成27年度末で市内における管渠延長は約199㎞となり、昭和43年の事業着手時期に布設された管渠が50年を迎えるため、今後は施設の本格的な老朽化による更新が順次発生することが見込まれる。その財源として企業債の計画的な発行が必要となることが考えられる。
全体総括
・全体総括近年の収支は健全な状況にあるが、人口減少等により今後も増収の見込みが厳しいなか、施設の本格的な老朽化に伴い維持管理費や長寿命化対策費が大幅に増大することから適切な施設の点検・調査及びデータ管理が必須のため施設管理台帳のデータベース化を行う。平成27年度においては、施設管理台帳のデータベース化に向けて、固定資産等の洗い出し作業に着手している。更に老朽化による業務量の増大が見込まれるなか、執行体制としては7名と脆弱な体制で対応するためにも業務の効率化、包括的民間委託や公的機関の補完組織活用による事業運営の強化を図る。また、平成27年度より策定した長寿命化計画に従い、今後に向けて、管渠改善率の向上を目指す。また、平成28~30年度にかけて地方公営企業法を適用し、平成31年度から公営企業会計として適切な経営分析による中長期的な経営戦略の策定を行い、財政状況の把握に努め、住民や議会へのガバナンスの向上を目指す。