経営の健全性・効率性について
収益性については、平成26年1月の下水道使用料改定及び終末処理場の維持管理費用の削減により、①経常収支比率は平成27年度に引続き100%を上回ったものの、類似団体平均値を下回った。⑤経費回収率は、平成27年度で100%下回ったものの、平成28年度では100%を上回り、類似団体平均値でも上回った。また、②累積欠損金比率は、平成24~平成25年度において水需要の減少により赤字が続いたため年々上昇しており、類似団体を大きく上回っていたものの、使用料改定及び終末処理場の維持管理費用の削減により平成27年度に引き続き平成28も減少している。⑥汚水処理原価については、類似団体の平均値を下回っており、早くから下水道整備に取り組んだことにより、整備にかかるコストが安価であったことなどが要因である。財政状態については、③流動比率が、100%を超えていることから、一年以内に支払うべき債務に対して支払うことが出来る現金等を十分に保有している状況にある。また、④企業債残高対事業規模比率は横ばいであり、下水道の早期整備により、類似団体と比較して低い水準にある。施設の活用については、⑦施設利用率は、平成24~平成28年度でほぼ横ばいで推移している。⑧水洗化率は、99.93%であり、概ね100%を達成している。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率について、平成26年度に大きく増加している要因は、みなし償却制度の廃止によるものであり、類似団体と比較すると大きく上回っている。終末処理場施設更新などを行っているが、法定耐用年数に近い資産が増加していることから、有形固定資産減価償却率は微増傾向である。特に管渠について、②管渠老朽化率は、年々増加しており、類似団体を大きく上回っている。①、②とも下水道の早期整備によるものである。③管渠改善率については平成28年度より更新事業を行っており、今後は増加していく見込みである。
全体総括
平成26年1月の下水道使用料の改定、下水処理施設の維持管理費用の削減により、経常収支比率及び、経費回収率は改善したものの、累積欠損金を解消するには至っておらず、今後は人件費を含む維持管理経費の削減等、経営の健全化を図っていく必要がある。更新については、長寿命化計画(平成28~平成31年度)に基づき、緊急度の高い箇所から、計画的・効率的に行っていく。耐震化については、総合地震対策計画(平成27~平成31年度)に基づき、平成28年度から計画的に進めている。経営戦略については、平成29年度中に策定する見込み。