経営の健全性・効率性について
【収益的収支比率】前年度から4.19ポイント減少したが、これは打ち切り決算(※)が影響している。地方債償還金の財源として、維持管理負担金(資本費)と一般会計からの繰入金があるが、資本費の回収は、県・関連市町間での協議で県(公費)負担とする部分があることと、事業の進捗状況に合わせて行っていることにより100%に至っていない。【企業債残高対事業規模比率】打ち切り決算(※)の影響により、前年度から大きく上昇している。例年の決算ベースに置き換えると当該数値は196.89%となり、類似団体平均値と比較すると過去5年間下回っている。【汚水処理原価】前年度67円台から59円台へと減少したが、これは打ち切り決算(※)が影響している。流入水量・水質の変化に応じた運転等によりコスト縮減に取り組んでいるが、H29から類似団体平均値を上回る結果となっている。【施設利用率】類似団体平均値と比較すると下回っているが、流域関連市町での下水道処理区域の整備と各戸接続が進んだことにより、前年度まで当該指標は着実に上昇してきた。H30の下落は新たに1処理区が供用開始した影響による。【水洗化率】流域関連公共下水道の整備に伴い逓増傾向にある。なお、類似団体平均値と比較すると過去5年間下回っている状況となっている。県、関連市町の負担が適切となるよう、引き続き経営計画を定期的に見直し、健全な経営に努めていく。また、流域関連市町と連携し、生活排水処理アクションプログラムに基づき施設整備を進めるとともに、水洗化率及び施設利用率の向上を図り、効率的な経営に努めていく。(※)令和2年度からの公営企業会計移行のため、令和元年度は打ち切り決算を行い、収入や支出の一部が令和2年度の特例的収入・支出となり、令和元年度決算に含まれていない。
老朽化の状況について
昭和62年度に供用した施設が最も古く、法定耐用年数を経過した管渠施設はないが、カメラ調査等により劣化の状況等現状把握に努めている。調査結果に基づき更新財源の確保を考慮し、長寿命化計画・ストックマネジメント計画により施設の改築更新を行っていく。
全体総括
流域下水道事業の経営計画は関連市町と定期的に見直し、収支均衡となる負担金単価を設定している。財務諸表の作成により資産と負債及び資本の関係を明らかにし、地方債の償還を見極めながら施設の耐用年数を考慮した改築更新計画を作成する等、投資計画や資金計画の最適化に、より的確に取り組むため令和2年度から公営企業会計を導入している。