経営の健全性・効率性について
【収益的収支比率】一時立替分を含む地方債償還金の変動により比率が上昇する年もあるが、概ね75%前後で推移している。地方債償還金の財源として、維持管理負担金と一般会計からの繰入金がある。維持管理負担金の対象としている資本費のうち、県・関連市町間での協議で県(公費)負担とする部分があること、また、資本費の回収を事業の進捗状況に合わせて行っているため、100%に至っていない。【企業債残高対事業規模比率】前年度から5.53ポイント減少し、過去5年の最高値から27.25ポイント減少した。また、類似団体平均値を過去5年間下回っている。【汚水処理原価】流入水質の変化に応じたコスト縮減に対する取組を進め、58円台から64円台で推移している。また、当該指標については類似団体平均値を過去5年間下回っている。【施設利用率】流域関連市町での下水道処理区域の整備と各戸接続が進んだことにより、前年度から0.72ポイント上昇した。類似団体平均値と比較すると下回っているが、過去5年間当該指標は着実に上昇している。【水洗化率】水洗便所設置人口の増加に対し、処理区域内人口の増加の割合が大きい年度は水洗化率が一時的に下がったが、流域関連公共下水道の整備に伴い逓増傾向にある。なお、類似団体平均値と比較すると過去5年間下回っている状況となっている。県、関連市町の負担が適切となるよう、引き続き経営計画を定期的に見直し、健全な経営に努めていく。また、流域関連市町と連携し、生活排水処理アクションプログラムに基づき施設整備を進めるとともに、水洗化率及び施設利用率の向上を図り、効率的な経営に努めていく。
老朽化の状況について
昭和62年度に供用した施設が最も古く、法定耐用年数を経過した管渠施設はないが、カメラ調査等により劣化の状況等現状把握に努めている。調査結果に基づき更新財源の確保を考慮し、長寿命化計画により施設の改築更新を行っていく。
全体総括
流域下水道事業の経営計画は関連市町と定期的に見直し、収支均衡となる負担金単価を設定している。財務諸表の作成により資産と負債及び資本の関係を明らかにし、地方債の償還を見極めながら施設の耐用年数を考慮した改築更新計画を作成する等、投資計画や資金計画の最適化に、より的確に取り組むため平成32年度から企業会計を導入する。