経営の健全性・効率性について
本町の下水道事業は平成16年度から事業着手し、平成21年度末に一部供用開始し、平成28年度末までに既事業計画区域123haのうち約73%の89haの整備が完了しております。接続件数の増加により使用料収入は増加しているものの地方債償還金が増加しているため①収益的収支比率は年々下降傾向となっています。今後は、経営改善に向け普及率を高めるとともに使用料収入の増加に努める必要があります。また、④企業債残高対事業規模比率についても、類似団体と比較すると平均値より高く、面整備に対する接続率が低いことにより、料金収入に対して企業債残高の割合が高い状態が続いており、主な収入源が企業債から賄っている状態であります。次に、汚水処理費の増加により⑤経費回収率については増加しているが、⑥汚水処理原価については減少しているため、管渠整備を進めるとともに接続率を向上し適正な使用料収入の確保及び有収水量を増加させる取り組みに努める必要があります。全体的に見ても接続率が重要な点であるため、順次、供用開始区域を拡大し、区域内の下水道接続人口の増加を図るとともに、経営の安定化を進めてまいります。
老朽化の状況について
管渠整備開始から10年程度ではあるため、老朽化対策による管渠の改善等の事業は実施しておりませんが、平成28年度における管渠点検の結果、管渠に補修すべき個所がありましたので、管更生を実施しました。
全体総括
供用開始から8年を経過し、普及率は18.13%、水洗化率も43.74%と低い水準であることから、今後も順次供用開始区域を拡大するとともに、未接続世帯に対する啓発活動や広報等を通じて接続率の向上を図ります。また、整備面においても引き続き低コストの技術の採用による費用削減及び人口密度の高い区域の優先的な下水道整備により、普及率を高めるとともに水洗化率を向上させ、経営の健全化を図ってまいります。さらに、現在、平成32年4月を目標に一部適用による公営企業会計移行に取り組んでいるところであり、平成32年度に経営戦略を策定する予定です。経営状況をより正確に分析するとともに近隣市町村との情報共有や連携を図り、将来に渡り事業継続に有効な対応を図ってまいります。