経営の健全性・効率性について
・平成28年度は供用開始から5ヶ年度目であり、経営の健全性・効率性を分析するにあたっては過渡的な状況である。・平成28年度は、前年度に引き続き水洗化人口が増加したことにより「⑧水洗化率」が上昇した。また、下水道使用料の徴収対象となった下水の排出量1立方メートルあたりの下水道使用料(有収単価)が150円を超えたため、公費で負担すべき経費の一部(総務省が定める地方公営企業繰出基準のうち「高資本費対策に要する経費」)が新たに算定対象となったことにより「①収益的収支比率」及び「④企業債残高対事業規模比率」の改善、「⑥汚水処理原価」の低減、「⑤経費回収率」の向上が見られた。・今後も事業規模の拡大を行っていく予定であり、事業開始から30年程度経過後の平成50年度ごろまでは企業債の残高が上昇する見込みである。
老朽化の状況について
・汚水施設については、整備が直近10年程度と比較的新しいため老朽化の状況はない。・雨水施設については、本市は低地にあり、昭和30年代より汚水処理に先行して雨水排除のため都市下水路として整備してきた。・汚水施設の整備に合わせて、雨水施設を公共下水道の施設として位置付け、順次整備している。雨水管の整備とともに老朽化した雨水ポンプ場の改築更新が急務となっている。・下水道ストックマネジメント計画を平成29年度中に策定予定であり、老朽化した雨水管渠について計画的に更新を行っていく予定である。
全体総括
・引き続き汚水の面整備に努め、規模を拡大し、処理原価の低減・収益性の向上を図っていく。・合わせて、都市下水路として整備して雨水施設を順次公共下水道に取り込み、老朽化した雨水施設の改築更新を行っていく。・経営の分析にあたっては、平成24年度・平成25年度の供用初期の特異な状況を比較対象としなくなる平成30年度より、より正確な状況を把握することができるようになると考える。・平成28年度に経営戦略を策定し、安定的な下水道事業の経営に努めるとともに、平成31年4月の地方公営企業法の適用(法適化)に向けて、平成30年度に経営戦略を見直す予定である。・法適化により、経営状況や資産状況をより的確に把握し、より効率的な経営に努める。