地域において担っている役割
当院は、一般病床86床、療養病床32床及び感染病床4床を有する地域中核病院であり「日常生活と治療との境界なく、常にそばに寄り添い地域の健康増進を目指します。」の基本理念のもと以下の役割を担い医療を提供している。・かかりつけ医として地域に密着した病院・かかりつけ機能を強化した救急医療の実施・地域特性に対応した医療の実施また、令和2年度からは山梨県の新型コロナウイルス感染症の重点医療機関として、最大32床の受入れ病床を確保している。
経営の健全性・効率性について
経営収支比率は、前年度数値から10.2ポイントと大きく改善した。特に医業収支比率が前年度数値から10.3ポイント改善している。これは、新型コロナウイルス感染症の入院患者等、患者数が対前年度で107.3%であったこと、及び新型コロナウイルス関連の診療報酬点数の加算措置により入院患者1人1日あたり収益が前年度比117.7%と増加したことにより大きく改善した。また、職員給与費対医業収益比率は、医業収益の改善により前年度数値から14.8ポイント改善している。
老朽化の状況について
当院は平成9年の本館竣工以降二度の改築を経て現在に至っている。1床当たり有形固定資産の数値が類似病院平均を下回っていることや、器械備品減価償却率が類似病院平均と同等であるのに比べ、有形固定資産減価償却率が平均値を上回っていることは、施設設備において更新を控えたものが多数あることを示唆している。令和4・5年度において策定する本市の経営強化プランの中で優先度や必要性を考慮して更新を計画していく。なお、器械備品減価償却率が類似病院平均を下回っている要因は、新型コロナウイルス感染症への対応のためCT撮影装置他各種検査装置を更新したことが影響している。
全体総括
新型コロナウイルス感染症の入院患者の受入れ等により入院患者数が増加したこと、並びに診療報酬の加算措置等により経常収支比率が改善した。今後も新型コロナウイルス感染症の重点医療機関としての責務を果たすため、感染対策を強化しつつ安心・安全な医療の提供に努めていく。また、新型コロナウイルス感染症が収束した場合には、従前の一般会計からの繰入金や補助金に頼らざるを得ない状況に戻ることも考えられるため、令和4・5年度の経営強化プランの作成において地域の中核病院として持続可能な診療体制の構築を検討していく。