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人口の減少や町内に中心となる産業がないことなどから財政基盤は弱く、類似団体平均値を下回っている。このため、退職者不補充による職員数の削減や人件費のカットを行うほか、各事業をゼロベースから見直すなど、行政の効率化に努めてきた。今後も歳出内容の見直しを実施していく一方、歳入では税等の滞納整理によって徴収率向上を図り、財政の健全化、財政基盤の強化に努める。
歳出において経常経費である退職手当組合負担金や下水道事業会計に対する繰出金の減少に伴い、充当一般財源が減少したことによって前年度を1.8ポイント下回った。近年は改善傾向にあるものの依然として類似団体平均値を上回っている。今後3,4年は、公債費は高水準での推移が見込まれるほか、扶助費も今後の増加が見込まれるなど、経常経費に充当される一般財源は増大傾向にある一方、合併算定替の適用期間の終了で普通交付税額が削減されるなど経常一般財源の確保は一層厳しくなる状況である。事務事業の点検・見直しをさらに進め、経常経費の削減を図る。
合併によって職員数、施設数が増加したため、類似団体平均値を上回ってきたが、退職者の不補充や保育所をはじめとする公共施設の統廃合、合併時に採用した役場庁舎の分庁方式の廃止に伴う庁舎の一元化など、施設維持管理経費の削減による効果もあり類似団体平均値を下回ることとなった。今後も、公共施設の統廃合を進めるほか、指定管理者制度の活用による施設維持管理経費の更なる削減を図る。
合併以前の旧町時代に整備した大型施設に係る地方債の償還に加え、合併後は合併特例債を活用した大型事業を実施してきた結果、毎年多額の元利償還額を計上することとなった。更に、下水道事業会計、水道事業会計において発生する準元利償還金の負担も大きく類似団体平均をはるかに上回ることとなっている。起債許可団体からの脱却を図ることができるよう、地方債の発行額の抑制や縁故債の繰上償還などを実施し比率の改善に努める。
数値は改善傾向にあり200%を下回ることとなったが、依然として類似団体平均値をはるかに上回っている。合併以前の旧町時代の大型施設の建設に加え、合併後は合併特例債を活用した大型事業を実施してきた結果、地方債現在高が多額となっていることが要因である。将来への負担軽減のため、地方債発行額の抑制、繰上償還による地方債現在高の縮減、充当可能基金への積み立てなどに努める。
人件費に係る経常収支比率が低いのは、給与のカットによる抑制措置などによってライパイレス指数が低水準にあることに加えて、退職手当組合負担金の大幅な減少が要因である。しかし、職員数は類似団体を上回っており、今後も職員の定員管理の適正化に努め、数値の上昇抑制を図る。
物件費に係る経常収支比率は近年、類似団体平均値を下回ることとなっており、行財政改革の推進によって事務経費全般の節減に努めているためである。今後も事務の効率化による経費の縮減に努める。
扶助費に係る経常収支比率は近年、類似団体平均値水準を維持しているものの、子ども手当制度の導入によって経常経費充当一般財源は増加するなど、今後の増加が予測される社会保障関連経費の分野であり、上昇傾向に歯止めをかけ現状水準を維持できるよう努める。
その他は維持補修費、繰出金に係る経常収支比率である。類似団体平均値を下回っているのは、下水道事業会計が法適用企業となっていることから下水道事業への繰出金が補助費等へ計上されていることが要因である。また、繰出金は国民健康保険や介護保険などの特別会計への繰出金が主なものであり、今後の増加が予想される分野であることを踏まえ、保険料(税)の適正化を図り、急激な上昇とならないよう現状水準の維持に努める。
補助費に係る経常収支比率が高くなっているのは、広域連合への負担金や、下水道事業、病院事業会計への繰出金が高額なためである。ただ、近年は下降傾向にあり、要因として下水道事業会計に繰出金の減少、22年度から行財政改革の一環として取り組んだ町補助金等の支給見直しが挙げられる。補助費等の財源の多くは一般財源であり、歳出の抑制が比率の減少に繋がることからも、事業会計に対する繰出金の推移に注視していくことや、町補助金の見直し、支給にあたっては受益者負担の原則に基づき、応分の負担を求めていくことなど更なる歳出の削減に努める。
近年の合併関連事業や過去の大型施設整備事業によって、公債費は増大となり、公債費に係る経常収支比率は類似団体平均を約8.0%上回ることとなった。今後も公債費の占める割合は高水準で推移してしていくことが見込まれており、縁故債の繰上償還の実施によって、将来の公債費負担額の低減に努める。
近年は、類似団体平均値に近い水準で推移しているものの、今後は普通交付税の合併算定替の適用期間が終了し、交付税額の減少が予測されるなど、経常一般財源の現状維持が困難な状況が見込まれるため、経常収支比率の約半数を占める人件費、補助費等の推移に一層留意し、抑制に努める。
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