経営の状況について
経常収支比率及び営業収支比率については、公営電気事業平均程度となっており、黒字を示す100%以上を維持しています。流動比率については、発電所改修に費用を投じたことから、一時的に比率が低下したものの、200%以上を維持し、短期債務に応ずべき流動資産を確保していることから、健全な経営状況であると認識しています。供給原価については、平成28年度及び令和2年度に発電量の減少に伴い増加しているものの、平成28年度以降継続して公営電気事業平均を下回っており、効果的な投資、効率的な維持管理を実施している状況であるといえます。EBITDAの値については、他の公営電気事業者に比して発電規模が小規模であることから、減価償却前営業利益の絶対値は公営電気事業平均を下回る結果となっていますが、他の指標からも判断できるとおり、概ね経営の健全性は保たれているといえます。
経営のリスクについて
設備利用率については、概ね40~50%を維持し、公営電気事業平均の数値を常に上回っており、所有する発電設備を効率的に活用できていると考えています。修繕費比率については、発電施設の特性上、10年程度の周期で大規模修繕が必要となることから、年度により突出した修繕費の支出がありますが、修繕引当金等の活用により自己資金により対応しています。企業債残高対料金収入比率については、平成30年度で企業債の償還を完了し、今後も自己資金を活用するなど、効果的、効率的な改良投資により企業債の発行抑制に努めます。有形固定資産減価償却率については、令和2年度に発電所の改修を実施したことから償却率が低下し、改善しているものの、その率は上昇傾向にあり、保有資産の多くが法定耐用年数に近づいてる状況です。今後も適切かつ効率的な施設の改良・更新を実施していきます。FITについては、現時点で実施しておりません。
全体総括
経営状況は概ね健全であるといえますが、保有施設の更新に多額の資金が必要になると見込んでいます。なお、国の制度改革により、電力を含めた総合エネルギー市場が進展する中で、経営の柔軟性を高め、事業の持続性を確保するとともに、市民がエネルギー自由化の恩恵を享受できるよう、令和4年4月1日に事業譲渡を予定しています。