経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は、H24まで90%台で推移し、経費回収率は80%台で推移しており、いずれも100%に満たない状況で赤字経営となっている。そのため、H24に繰入金の赤字部分の削減を図るため、下水道使用料の改定を予定したが、平成24年8月の財政改革審議会の中間答申を受け、下水道使用料の改定は行わず、H25から資本費平準化債を導入することとなった。その効果により、H25から下水道使用料で賄うべき汚水経費に係る繰入金の赤字部分は削減され経費回収率は100%に近い数値となったが、収益的収支比率は80%前後に下がり、全体の収支としては赤字経営で財源の確保が必要であることは変わっていない状況である。企業債残高対事業規模比率は、類似団体及び平成26年度全国平均と比べて国立市は低い数値となっており、料金収入に対する企業債残高の割合は低い。汚水処理原価は、類似団体及び平成26年度全国平均と比べて国立市は低い水準で汚水処理原価は安価と判断できる。なお、H25からは資本費平準化債を導入したことから、さらに低い水準となっている。水洗化率は、類似団体及び平成26年度全国平均と比べて国立市は高い水準となっているが、今後も水洗化促進の戸別訪問、啓発チラシの配布等普及開発活動を行っていく。
老朽化の状況について
国立市の公共下水道は、昭和45(1970)年から下水道事業に着手した管きょと事業着手以前(昭和36年~昭和44年)に布設した管きょを含めると、総管きょ延長は約187㎞になります。標準的な耐用年数は50年とされていて、すでに耐用年数を超えている管きょが出てきてます。管きょの清掃及び調査は毎年行っていますが、今後、早急に管きょの長寿命化計画を立て、計画的に更新・改築等を実施していく必要があります。
全体総括
今後について、建設改良事業は補助金等の制度を活用しながら企業債の発行額の圧縮に努め、資本費平準化債についても事業の執行状況を勘案しながらの発行額の圧縮に努めていくこととする。また、地方公営企業法の適用に伴い政策部局と調整のうえ、財源の確保に努めていくこととする。老朽化対策としては、H31までに長寿命化計画の策定にするよう計画的に業務を行っていきます。