経営の健全性について
・令和2年度の「経常収支比率」及び「営業収支比率」は、新型コロナウイルス感染症の影響等により、乗車料収入が減少したため、前年度から低下しました。・「営業収支比率」が平均値を上回る一方で、「経常収支比率」が平均値を下回っているのは、他会計負担比率が低いためと考えられます。・「流動比率」は100%を上回っており、当面の支払能力に問題はありません。・新型コロナウイルス感染症の影響等で、乗車料収入が大幅に減少し、多額の純損失を計上したことにより、累積欠損金が生じました。・「利用者1回当たり他会計負担額」及び「利用者1回当たり運行経費」は平均値より低い水準にあります。・「他会計負担比率」は平均値より低い水準にあります。なお、分子となる他会計負担金及び他会計補助金の内訳は、繰出基準内の人件費に対する補助金が太宗を占めています。・「企業債残高対料金収入比率」は企業債残高が増加する一方で料金収入が減少したため、上昇しました。・「有形固定資産減価償却率」は資産の償却が進んだことにより、上昇しました。
経営の効率性について
・「走行キロ当たりの収入」、「走行キロ当たりの運送原価」及び「走行キロ当たりの人件費」は都内区部における旅行速度が低いことなどから、民間事業者平均値を上回っています。・「乗車効率」は公営企業平均値を上回っていますが、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、乗車人員が減少したこと等により低下しました。
全体総括
・都営バスは、東京の都市活動や都民生活に欠かせない公共交通機関として重要な役割を担っています。・新型コロナウイルス感染症の影響に加え、老朽化した車両の更新に多額の費用が掛かることなどにより、厳しい経営状況となっていることから、経費の節減などを進め、収支の改善に努めていきます。