経営の健全性・効率性について
経費回収率は概ね100%前後を維持していますが、当市は3流域にまたがる流域下水道であり、流域各市の不明水が混入することにより、汚水処理原価が類似団体より高くなっています。水洗化率につきましては、全体の普及率(約67%)と併せて向上するよう取り組んでまいります。収益的収支比率は80%前後を推移しておりますが、これは未普及解消のため地方債を借りて公共下水道整備を進めていることから、地方債償還金が多くなっていることが要因となっております。今後とも未普及解消のために資本費への投資が必要となることが予想されることから、計画的な資金運用にて下水道整備を行っていかなくてはならないと考えております。経営の健全性の確保にあたりましては、公営企業会計への移行を行い、実態を把握したうえで、より効率的な経営戦略を検討していきます。
老朽化の状況について
当市は流域下水道に接続しており、単独の処理場は有しておりません。また、流域の最上流域であるため、下水道整備の開始時期が近隣市より遅い(昭和59年より供用開始)ことから、管渠の標準耐用年数50年まで約15年ほど期間があります。しかしながら、下水道法の一部改正により、維持管理に要する経費も事業計画に明記することになったことも踏まえ、「下水道事業のストックマネジメント実施に関するガイドライン-2015年版-」等を参考に、計画的な管路の点検・調査を行い、適切な維持管理計画を考えていきます。
全体総括
当市は流域の最上流域に位置しており、下水道の整備が近隣市に比べて遅れています。公衆衛生の向上や公共用水域の水質保全の観点からも、下水道の整備は急務であると考えております。このような状況のなか、令和2年度当初に地方公営企業法の一部適用を行ったことにより、今後は公営企業会計に基づいた経営を行うこととなります。また、令和2年度には鎌ケ谷市下水道事業経営戦略を策定することとしており、現状の財政状態の把握や今後増加してくる維持管理に要する経費等を踏まえた将来の予測を行うことで、より効率的な事業運営を目指します。