経営の状況について
・収益的収支比率及び営業収支比率は平成26年度以降一定である。収益的収支比率及び営業収支比率の数値は、ともに100%以上であるので収支は黒字であり、今後も現状維持を目指す。・供給原価は平均値より高い傾向である。総費用についてはリース料や施設管理委託料などが高額で毎年一定の経費がかかり、総費用を大幅に減少させることは難しい。供給原価を下げていくには年間発電量を増加させることが望ましい。平成30年7月に沢渡温泉第1太陽光発電所は設備修繕を行ったため、平成30年度以降は発電量増加が見込まれる予想である。今後も、発電量の少なくなる冬期には除雪作業等で発電環境を整えるなどの対策をとっていく。・EBITDA(減価償却前営業利益)について、平成29年度は数値が上昇した。理由としては、平成29年度より運転を開始した沢渡温泉第3太陽光発電所の料金収入が多いことが挙げられる。平成28年度以前と比べ、発電施設数が増えことで総費用や繰入金も増えているが、総収益のうち料金収入の増加幅が大きかったためEBITDA(減価償却前営業利益)の数値が上昇したと考えられる。
経営のリスクについて
【太陽光発電】・修繕費が毎年0であるのは、沢渡温泉第1・第2太陽光発電所の場合、施設管理は施設管理委託料として委託業者に対し一括で費用を支払っているため、原則として修繕があった場合でも町に費用は請求されない。そのため実際の修繕にかかった費用がどのくらいかを町としては把握をしていないため修繕費は0となっている。平成29年度運転開始の沢渡温泉第3太陽光発電所については、O&M契約のみのため、平成29年度の修繕費は0であったが、今後は修繕費の発生が予想される。・設備利用率について多少低下傾向が見られる。ゆるやかな低下であるが、今後の設備利用率を維持・向上のためには除草・除雪作業等の発電環境を整える維持管理が重要である。・FIT収入割合は100%である。FIT調達期間終了後については、施設状況にもよるが事業廃止を予定している。【小水力発電】・平成29年度については美野原小水力発電所の運転1年目であり、修繕する箇所も無かったため修繕費は0だった。・美野原小水力発電所は農業用水を利用した発電施設のため、水田の引水の関係で時期によって最大出力が変動し、5月16日~8月31日間は最大出力135kw、9月1日~5月15日は最大出力31kwとなるため、年間としての設備利用率は低くなる。・FIT収入割合は100%である。FIT調達期間終了後も事業継続予定であるので、収入が減少するリスクを踏まえた経営を検討したい。
全体総括
20年間の特別措置法適用期間は、安定した収益が見込まれると考えられる。当面は現状維持のため、各発電施設で発電環境管理を重要視し、より安定した発電量を確保していきたい。またFIT調達期間終了後については、太陽光発電事業は施設状況にもよるが事業廃止を予定している。小水力事業は通常40年相当期間は発電可能であるため、FIT調達期間終了後においても事業継続を予定している。平成32年度までに策定予定の経営戦略等を活用しながら、収入が減少するリスクを踏まえ、維持経費の適正化を図るような経営を検討していく。