地域において担っている役割
地域の急性期中核病院として、断らない積極的な救急患者の受入れに伴うスムーズなベッドコントロールの運営を図った。地域連携の強化として後方連携対象である14病院と小山市近郊地域医療連携協議会を改編し良好な病病連携の関係、入退院や紹介率・逆紹介率増を促進した。また地域住民の健康増進に応えるため、人間ドックや健診の検診項目の見直しや市と連携し健康講座の開催等啓蒙活動を行なった。
経営の健全性・効率性について
ほぼ全ての指標で平均値よりも良好な数値となっており、収益・高度医療の提供増と費用の抑制を見直した結果であると考えている。入院収益については重症・救急患者の積極的受入れに伴う診療レベルの向上高度医療・急性期医療の安定的な運営及び地域包括ケア病棟の有効利用、連携病院とのスムーズな入退院を構築した結果である。外来収益については平均値を下回っているが、病診連携により紹介率及び地域住民を「かかりつけ医」へ戻す逆紹介率の向上を目指し、医師の外来診療負担軽減を促進した。費用については人事評価制度の確立による給与の見直しや派遣・委託業者を活用し職員増に伴う人件費増を抑制した。材料費(薬品)についてはジェネリック採用品品目増や仕入業者の絞り込みによる値引率の向上、医療材料費については業者による共同購入方式へ変更し費用の改善を図った。
老朽化の状況について
建物・医療機器の老朽化に伴い、平成28年1月に新病院移転と同時に院内保育所の新規建設、医療機器・システムの新規更新購入を行なった。新たな減価償却の発生は平成27年度から始まった。当年度は駐車場の改修や資産除却を計上。器械備品については毎年予算額が決められており、今後も建物等の大規模な改修や増設、器械備品の新規購入が無い限り平均値を上回ることは無いと考える。
全体総括
新病院建設・医療機器整備に係る多額の長期借入金の元利償還金支払が今年度より本格的となり、旧病院をはるかに上回る費用負担を担いながらの経営基盤強化を一層強めていくためには、収支のバランスをさらに見直す必要があり、予断を許さない状況である。そのため、幹部職員による病院経営改革推進会議を通じて様々な問題解決と施策の実践、救急患者・紹介患者の積極的な受入れ、患者満足度向上、施設環境整備の強化等地域から安定的な支持を得られる病院作りに取り組んだ。また新病院新築移転により得た資産を有効に活かし、地域医療中核病院として地域住民の為より高度な医療提供に努め、医療ネットワークを形成しながら病院経営安定化に邁進した結果、平成25年度の独法化後4年連続の黒字計上を達成することが出来た。