経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率:前年度より伸びているが、一般会計繰入金の見直しによるものであるため、経営が改善されたわけではない。総収益の90%を一般会計繰入金に依存している状況であるため、使用料収入の確保や経費の見直しによる経営改善に向けた取組が必要である。④企業債残高対事業規模比率:近年は事業もなく借入も発生していなかったが、平成29年度より公営企業会計適用事業のため借入が発生した。そのため前年度より上昇している。全国平均・類似団体平均より大きく上回っているので、留意していきたい。⑤経費回収率:25.58%と前年度を上回ったが、依然として低い水準である。全国平均・類似団体平均と比較しても低い状況であるため、適切な使用料収入を確保する必要がある。⑥汚水処理原価:前年度より改善はしているが、引き続き維持管理費の削減や接続率の向上による有収水量の増加に努めたい。⑦施設利用率:前年度より微増しているが、水洗化率も低いので利用率も低い状況である。今後も接続率の向上を図るとともに適切な施設の維持に努めたい。⑧水洗化率:近年ほぼ横ばいのうえに、全国平均・類似団体平均を下回っている状況である。区域内人口が少なく、減少傾向にあるが、水質保全や使用料収入の確保を図るため、引き続き接続率の向上に努めたい。
老朽化の状況について
平成11年より供用を開始している。耐用年数の観点から考えると、更新の時期はまだ到来していないが、小規模会計のため将来の更新需要に対応するための財源確保は難しい。そのため、個々の資産に応じた効率的・効果的な維持管理を行い、長寿命化・経費削減を図るとともに財政負担の軽減を図りながら計画的な更新を行いたい。
全体総括
収益は、一般会計からの繰入金に大きく依存し、経営状況は脆弱である。このため、事業の安定的な経営や将来の更新需要に対応できる財源の確保が大きな課題である。したがって、市民の理解を得ながら段階的な料金改定による使用料収入の確保を図り、効率的・効果的な維持管理と投資による経費削減を行い経営改善に努める。