地域において担っている役割
市内の基幹病院として市立田沢湖病院や市内5つの診療所と地域医療体制を確保し、救急医療、高度医療などの急性期医療を担っている。また、救急告示病院及び災害拠点病院として大仙・仙北二次医療圏の中核的な役割も担っている。
経営の健全性・効率性について
平成29年度は、4月の病院移転に伴う入院患者の抑制及び精神科常勤医師の退職に伴うメンタルヘルス患者の抑制などで患者数が減少し、医業収支比率が79.9%(前年度より8.1%減)、経常収支比率は91.4%で100%を下回った。また、累積欠損金比率は109.3%と類似病院平均値を22.5%上回る厳しい経営状況となった。また、患者の抑制により医業収益が減少したため、職員給与費対医業収支比率は64.2%(前年度より3.5%増)、類似病院平均値を5.2%上回った。一方病床利用率は病院移転時の4月は落ち込んだもののその後高い病床利用率が続き、年間の平均は81.5%で類似病院平均値を上回った。また、新病院移転により医療設備が充実したことで入院・外来ともに診療単価が増となった。
老朽化の状況について
病院建物の老朽化が進行していたが、平成29年2月に新病院が完成した(開院は4月)。このことにより、平成28年度から有形固定資産、器械備品ともに減価償却率が大幅に減少した。同理由により1床当たり有形固定資産は上昇した。
全体総括
病院の移転開院に伴う医業収益の一時的な落ち込みもあるが、患者数が年々減少傾向である。地域医療構想や新病院基本構想の将来患者推計により必要病床数を想定し、移転開院と同時に病床数の適正規模への見直しを行ったところである。平成28年度まで253床平成29年度から206床(▲47床)へ変更。同時に診療単価の向上や医療機器の効率的な運用により収入の確保を図るほか、地域医療連携室における外来・入院ルート及び介護施設等との連携を強化し患者確保に努める。また、不在となった精神科常勤医師の確保に努め、早期の病棟再開を目指す。