地域において担っている役割
住み慣れた地域で安心して暮らせる地域社会を実現するため、扇田病院は次の役割を担います。①急性期医療と慢性期医療を担う、地域に根差した医療の提供②人間ドック、企業健診などの健診事業の展開③訪問診察や訪問看護などの在宅医療の充実
経営の健全性・効率性について
①経常収支比率や②医業収支比率は、入院・外来患者数の減少による医業収益の減少により低下傾向にあります。一般会計からの繰入を行っていますが赤字は解消されていません。④病床利用率は、平均値より高い水準を維持しているものの、医療圏内の人口減により減少しています。⑤入院及び⑥外来患者1人1日当たり収益は類似病院平均より低く、収益に大きく影響を与えています。現在の施設基準の維持や、夕やけ診療や訪問診療事業の充実より、収益向上に努めます。⑦職員給与費対医業収益比率は、類似病院平均より低い水準を維持していますが、職員給与の昇給等により増加傾向にあります。⑧材料費対医業収益比率は、採用薬品や材料の適正化推進により平均より低く、近年数値は低下しています。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率は、平均値を上回る状態が続いています。病院建物は使用開始から30年以上経過しており、施設の老朽化が著しい状態です。建物内部の給排水管は経年劣化が特に激しく、早急な対策及び更新が必要です。また、②機械備品減価償却率でも、類似病院平均よりも高い状態です。優先度の高い機器から毎年度更新を行っていますが、器械備品においても老朽化が進んでいます。③1床当たり有形固定資産では、更新機器の検討委員会を毎年度開き、優先度の高いものから順に更新することで、支出の抑制、優先度の低い機器更新の延期により、H28からは類似病院平均を下回っています。
全体総括
人口減少や慢性的な医師不足に伴う患者数の減少で、収益が減収し、経営の健全性・効率性は悪化しています。また、施設や機械備品などの固定資産の老朽化も進み、厳しい経営状況です。経営改善のため、次のとおり取り組みます。収入では、開業医が利用できるセミオープンベッドのPRにより、入院患者確保に努めます。また、地域における在宅医療の充実を図り、医療と介護の連携の強化による収益確保に努めます。費用では、同効薬剤の統一化による採用数の削減や、後発医薬品への転換での費用削減に努めます。平成28年度に作成した経営改革プランに基づき、医師確保や経費節減に一層努めます。地域の需要に応える医療を提供する病院運営を引き続き行っていきます。