地域において担っている役割
地域医療連携の強化、地域包括ケアシステムのへの積極的な参画が求められている中、地域病院・診療施設・介護施設との連携強化を図るとともに、急性期病院の後方支援病院としての役割を担っている。また、地域包括ケア病床の導入や人工透析治療用ベッドの拡充など地域の医療ニーズに応えるため、検討、取り組みを行っている。
経営の健全性・効率性について
経常収支比率は100%を超え、累積欠損金もないが医業収支比率が低く一般会計からの繰入に頼った経営となっている。新病院新築移転に伴う人工透析治療用ベッドの増加等により、外来患者の1人1日当たりの収益は増加し、また、地域包括ケア病床の増床により、入院患者の1人1日当たりの収益も増加となった。材料費対医業収益比率は、前年度と比較し改善することができたが、職員給与費対医業収益比率については、職員数の増加に伴い前年度より上昇しているため今後さらに医業収益増に努めていく必要がある。病床利用率も上昇しており総合的に判断すると経営の健全化が若干図られていると捉えられる。
老朽化の状況について
令和2年度には八幡平市立病院として新築移転を実施し、これまでの課題であった老朽化、度重なる増改築により動線が複雑化するなどの患者サービスの低下と維持管理経費の増大等に対する改善を図った。また、感染症に配慮した動線を確保することにより、一般の患者さんと区別し安心して受診していただける医療環境の整備を行った。
全体総括
新病院の建設により1床当たりの固定資産額、有形固定資産減価償却率が大きく変化しており、経常収支比率、医業収支比率も前年度に比較し低下している。その一方で人工透析患者数の増加、地域包括ケア病床の継続により、入院及び外来患者の1人1日当たりの収益は増加している。常勤医師の増員に加えて新病院移転が行われ、運営形態も大幅に拡大されることから、今後さらなる経営の健全化に期待ができる。