宮城県地方独立行政法人宮城県立病院機構：宮城県立がんセンターの経営状況（2016年度）

地域において担っている役割

都道府県がん診療連携拠点病院として，（イ）がん患者の状態に応じた適切な治療の提供（ロ）がん予防に関する県民への啓発（ハ）東北大学病院との機能分担による「全県的がん診療体制」の構築（ニ）がん患者の療養生活の質の向上（ホ）研究の促進と研究成果の応用等に取組み，県民に必要な医療・情報を提供するという役割を担っている。

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	105.3	106.3	103.9	99.6	100.7
類似団体内平均値（％）	99.4	99.0	97.7	98.0	97.2

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	86.2	84.1	82.2	80.0	81.5
類似団体内平均値（％）	92.6	92.2	90.2	91.1	90.1

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0
類似団体内平均値（％）	63.8	62.5	57.6	53.6	59.7

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	73.0	75.5	75.6	72.5	72.5
類似団体内平均値（％）	70.6	70.5	70.6	71.3	72.6

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（円）	50726.0	50564.0	51331.0	51701.0	52645.0
類似団体内平均値（円）	45929.0	48203.0	48941.0	50413.0	50510.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（円）	24732.0	26567.0	29003.0	36199.0	41391.0
類似団体内平均値（円）	11409.0	11941.0	12272.0	13096.0	13552.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	56.8	55.6	57.0	55.4	53.1
類似団体内平均値（％）	54.8	54.9	56.4	55.6	56.7

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	29.2	30.4	30.2	34.5	37.4
類似団体内平均値（％）	23.0	23.6	23.5	24.3	24.2

経営の健全性・効率性について

平成２８年度決算において経常収支比率は100.7%と100%以上を確保できており，病院の単年度の収支は黒字となっているものの，医業収支比率は81.5%となっており，平均値を下回っている。病床利用率は72.5%と平均値とほぼ同程度に推移しているも，今後病床の有効活用も含めて検討を行い，前述の医業収支比率を改善させていく必要がある。入院・外来単価については平均値を上回っているが，これは化学療法の増加による高額薬品の使用増が影響しており，材料費対医業収益比率についても平均値を大きく上回っているものである。一方で職員給与費対医業収益比率は，平均値を大きく下回っている。今後も，収益・費用の変動には注視を行いながら，経常収支比率100％以上を確保できるよう取組を行う必要がある。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	19.3	20.7	28.0	35.7	39.2
類似団体内平均値（％）	45.5	45.8	48.9	50.3	49.8

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（％）	54.6	38.2	48.0	60.2	61.8
類似団体内平均値（％）	62.5	59.9	65.4	65.7	65.0

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016
当該団体値（円）	18111953.0	26738681.0	28133867.0	28598120.0	30925128.0
類似団体内平均値（円）	39169586.0	40264615.0	41593368.0	42578034.0	45645830.0

老朽化の状況について

有形固定資産減価償却率，器械備品減価償却率ともに，平均値は下回っているものの，建設後２３年が経過し，設立当初から使用続けている機器も多々あるため，今後計画的な更新が必要である。

全体総括

経常収支比率は100％以上を確保できており，単年度の収支は黒字を確保できている一方で，病床利用率は低下し，医業収支比率は平均値を下回っている。今後，計画的な施設整備の更新を行っていく場合には，更なる償却負担等の経費が発生するため，経常収支比率が100％を下回らないよう，収益・費用の変動に注視していく必要がある。