北海道枝幸町：枝幸町国民健康保険病院の経営状況（2017年度）

地域において担っている役割

地域住民がいつでも必要な医療を受けられ、安心して暮らせるまちを目指し、内科、外科の一般診療のほか、近隣での診療機関不在診療科の招致や出張診療を実施し、全９科と幅広い医療を提供しています。中でも循環器科及び透析診療の充実を図るとともに、一次医療圏での３６５日２４時間体制の救急医療機能を果たし、不採算性により民間病院等では提供困難な診療も行うなど、公立病院の役割を担っています。

経常収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	101.8	101.4	101.4	100.9	99.6	99.8
類似団体内平均値（％）	98.1	97.7	98.5	98.0	98.4	98.2

医業収支比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	66.0	63.5	60.4	59.3	56.7	57.1
類似団体内平均値（％）	83.2	82.5	79.7	79.6	77.9	78.1

累積欠損金比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0	0.0
類似団体内平均値（％）	71.9	70.5	64.1	65.7	71.4	78.1

病床利用率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	81.4	80.6	81.4	78.7	82.8	85.8
類似団体内平均値（％）	69.2	68.6	67.4	66.6	66.8	67.9

入院患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（円）	18410.0	17550.0	17027.0	18015.0	17515.0	17004.0
類似団体内平均値（円）	23061.0	23475.0	23857.0	24371.0	24882.0	25249.0

外来患者１人１日当たり収益

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（円）	8957.0	8561.0	9300.0	9976.0	9645.0	9633.0
類似団体内平均値（円）	8338.0	8603.0	8471.0	8736.0	8797.0	8852.0

職員給与費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	82.4	85.2	90.6	87.8	93.5	95.5
類似団体内平均値（％）	64.7	65.3	67.9	68.0	70.0	70.8

材料費対医業収益比率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	29.0	30.0	28.3	27.8	28.2	26.8
類似団体内平均値（％）	19.6	19.1	18.0	18.0	17.6	17.2

経営の健全性・効率性について

①一般会計の繰出しを最小限とするため、H28,H29は100％を若干下回りました。②地域唯一の病院として不採算の救急・診療部門に対応し、人件費や設備機器等の保守経費も増大しており、医業収支比率は低下しています。③該当なし④病床利用率は年々増加しており、感染症対策としての空き病床確保、看護職員不足の問題が生じています。⑤高齢者の受け入れ施設が不足しており、療養病床での長期入院対応が必要であるなど、収益を伸ばすことが困難な状況です。⑥限られた人員で高い病床利用率を維持しており、外来での十分な検査と治療が重要となっています。⑦僻地における医師確保は極めて困難であり、良好な就労環境を提供できるよう取り組んでいます。⑧ペースメーカー植込術、心臓カテーテル検査等の実施に係る材料費は高額でありますが、医業収益全体を伸ばすには至っておりません。

有形固定資産減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	31.2	33.2	38.7	41.7	44.6	47.7
類似団体内平均値（％）	43.0	43.9	52.4	52.6	54.2	53.8

器械備品減価償却率

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（％）	45.6	49.0	55.1	60.6	66.2	72.6
類似団体内平均値（％）	60.6	59.1	68.9	68.0	70.0	71.0

１床当たり有形固定資産

年度	2012	2013	2014	2015	2016	2017
当該団体値（円）	72136446.0	72921024.0	79013723.0	78796398.0	80048325.0	80218458.0
類似団体内平均値（円）	33688486.0	34462126.0	34878088.0	36094355.0	36941419.0	38480542.0

老朽化の状況について

①施設全体の減価償却率は平均を下回っておりますが、病院本棟はH7建設であり、部分的な補修を繰り返しながら、維持管理を行ってきたところです。特に最近は銅製の給湯・暖房管の腐食が進み、漏水が日常的に起こっている状況であり、診療に支障を与えないよう、早期に改修工事が必要と考えています。②機械備品の減価償却率に関しては、情報システムと一体化した医療機器が多く、メーカーのサポートを受けられる実質的な耐用年数が短くなる傾向にあり、機器更新が負担増になっています。③地域唯一の医療機関として、またニ次医療圏から遠距離にある当地域においては、標準的医療の提供が住民から求められているため、高度医療機器の整備は不可欠となっています。

全体総括

新公立改革プランに基づく経営健全化に努めるとともに、住民が求める質の高い医療提供を行っていけるよう、不断の取り組みが必要であると考えています。