経営の状況について
当該太陽光発電会計(施設名:長島夢追い元気発電所)は,長島夢追い元気集落活性化事業補助金として,町内各集落の地域活性化の為の補助金を繰り出すことや,本町の景観づくり形成を主な目的として建設したものである。企業債の借入は行っておらず,全額,夢追いふるさと長島景観基金から平成26年度・27年度で借入を行い,それぞれ1年据え置き20年での償還計画を立てている。施設は,平成26年12月に着工,平成27年10月に完成し,同10月29日から売電を開始した施設であり,通年の売電実績は平成28年度決算から確認できるようになった。(収益的収支比率)平成30年度の収益的収支比率は,176.5%であり,健全な経営ができていると考えるが,設備完成から間もない施設であるため,今後は修繕費等が増えることが見込まれることから注視していきたい。(営業収支比率)平成30年度の営業収支比率は768.8%と健全な経営がなされていると考えるが,今後の修繕・更新投資等に充てる財源を確保するため引き続き,健全な経営を進めて行きたい。(供給原価)本年の供給原価は、22,021円/MWhであり,全国平均値よりも高い数値となった。太陽光発電という天候に左右される発電設備であることから,供給原価を引き下げるため,総費用の削減に取り組んでいく必要がある。(EBITDA)減価償却前営業利益(EBITDA)は45,020千円と高いが,今後も経営状況判断の指標のひとつとして注視していきたい。
経営のリスクについて
(設備利用率)平成30年度の太陽光発電の設備利用率は15.0%であり,全国平均値とほぼ同値である。平成28年度からほぼ横ばいで推移しており,今後も施設の効率的な運用を進めていきたい。(修繕費比率)平成30年度の太陽光発電の修繕費比率は1.3%であり,全国平均値より若干高い。平成29年度と比較すると1.8ポイント低くなった。今後の運用の中で,数値を注視しながら,計画的な維持管理・効果的な修繕方法の検討などを進めていきたい。(企業債残高対料金・企業債残高対料金収入比率)当該施設では企業債の借入は行っていないため,経営リスクについては,設備利用率や修繕費比率を特に注視していく必要があると考えられる。(FIT収入割合)当該施設のFIT収入割合は100%と,全収入がFITで占めていることから,FIT適用期間終了(令和17年10月末)後は,収入が大きく変動するリスクを抱えているため,今後その対応を検討する必要がある。
全体総括
平成30年度は天候に恵まれ特に大きな修繕もなかったこともあり,健全な運営ができたと考える。今後も各数値を分析しながら,当該施設の健全経営へ努めたい。FIT適用終了(令和17年10月末)後の事業のあり方については,現時点で方針は定まっていないが,今後,策定を予定している経営戦略のなかで,FIT終了による電力料収入の変動リスクも踏まえ検討することとしている。