天草市：河浦病院

地域において担っている役割

河浦町・天草町地域における初期医療・救急医療・回復期医療を担う（地域で唯一の病院）。病後児保育における緊急受け入れ先としての協力医療機関。地域医療の充実を図るため「家庭医療センター」を開設。また無医地区で巡回診療所を開設するなど、患者に寄り添う医療を提供。熊本赤十字病院の初期臨床研修医の受入れ。熊本赤十字病院の後期臨床研修医（新専門医制度専門研修）の受入れ。熊本大学病院から研修医及び学生の受入れ。新型コロナウイルス感染症の入院患者受入れ。

経営の健全性・効率性について

令和2年度は新型コロナウイルス関連補助金などで5年ぶりの黒字となったが、令和3年度は、燃料費の高騰や新型コロナの感染拡大に伴う診療材料費の増加など、費用は前年比103.7%、コロナ関連補助金の減など、収益は前年比91.6%で、経常収支比率は89.4%と大変厳しい結果となった。入院延患者数は、人口減少等により対前年度比87.2%となったが、前年度末に経営改善等のため病床を33床削減したことにより、病床利用率は17.8ポイントの増となった。患者1人1日当たり収益は、新たな加算の取得に取り組んでいるが、入院は回復期、慢性期が主であること、外来は高齢者の内科的疾患が主で処置等が少ないため低いと考えられる。職員給与比率は、新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴う危険手当及び時間外手当等の増及び医業収益減によりさらに悪化している。

老朽化の状況について

平成6年建設で、築27年を経過している。各所で老朽化による不具合が出ておりこれまで修繕による対応を実施してきたが、長寿命化を図るため、空調、配管などの改修を適宜実施する。令和3年度はエレベーター（1号機）の改修及び自動ドアの更新、浴室の改修等を実施した。また、令和4年度は、空調設備及び照明設備の更新、屋根改修等を実施する。

全体総括

河浦町及び天草町地域で唯一の病院であるため、救急患者はもとより住民の健康を守る役割を引き続き担う必要がある。しかし、地域の人口減少や高齢化など、地域の実情に合った病院とするため、令和2年度末より病床を削減（99→66（33床減））するとともに、令和3年4月に開設した「家庭医療センター」による訪問診療・訪問看護・訪問リハビリなど、患者に寄り添う医療の提供を行い、地域医療の充実を図る。また、令和3年9月に巡回診療所を開設し、地域住民が安心して暮らせる医療環境、医療体制の構築を図っている。さらに、令和3年度より熊本大学病院の地域医療・総合診療実践学寄附講座の教育拠点病院として、総合診療医1名の派遣を受け、地域での医療提供と医師を育成する研修施設の役割を担っている。