経営の健全性・効率性について
経営の健全化については、「経常収支比率」は100%を超えており、累積欠損は生じていない。しかし、「流動比率」が100%を下回っており、類似団体と比較しても低い数値となっている。1年以内に支払わなければならない負債を賄えておらず、資金繰りが厳しい状況なので、支払い能力を高めるための経営基盤強化に努めていく必要がある。有効性については、施設利用率が前年度と比較して4.67%減少しており、類似団体と比較して低い数値となっている。(要因)主な流動資産である現金預金が少なく、また企業債償還金が多額であるため。また、施設利用率が前年度から減少した理由は、汚水処理水量の減少に伴い、平均処理水量が減少したためである。(今後の対策)・費用対効果を十分に考慮したうえでの下水道面整備を行い、地方債計画を盛り込んだ整備計画を策定する。・使用料収入の基である「水洗化率」が89.79%と類似団体に比べ高いとはいえないため、未水洗化世帯への水洗化の促進、啓発を継続的に行うことで有収水量の確保に努める。・有効性について、桜山処理区の施設の耐用年数を踏まえ、大島浄化センターとの統合及び供用開始に向けて協議を行い、施設の改築更新費や維持管理等の経費削減を図る。
老朽化の状況について
「有形固定資産減価償却率」は類似団体と比べると低い数値だが、これは平成26年度に企業会計へ移行した際に、移行前に取得した資産について、減価償却額を取得価額として取り扱ったためである。今後年数が経つごとに積みあがっていくと思われる。(汚水処理施設・雨水ポンプ場施設)機械・電気設備において、耐用年数を経過したものがある。(今後の対応)施設全体の健全度や重要度を考慮した効果的な点検やストックマネジメント計画に基づき、予防保全的な維持修繕・改築など計画的かつ効率的な施設管理を行っていく予定である。
全体総括
現在のところ、類似団体と比較すると概ね良好な水準である。しかし、今後は建設から維持管理へ移行し、多くの施設で更新の時期を控えている。そして、処理区域拡大中でも、人口減少に伴い下水道使用料収入が減少していることから、今後の事業運営のために長期的な対策が必要と考えられる。(今後の取組)令和元年度作成したストックマネジメントの結果を踏まえ、将来の人口減少を見据えた下水道施設の計画的な改築及び維持管理を行っていくことで、今後も効率的な事業運営を行う。