地域において担っている役割
当院は荒尾市の急性期病院として、また有明地域の中核病院として地域完結型の医療を目指しています。また、地域医療支援病院として、地域の医療福祉施設との連携の強化、地域医療の質の向上に努めています。さらに、地域がん診療連携拠点病院・脳卒中急性期拠点病院・急性心筋梗塞急性期拠点病院に指定され、救急医療に積極的に取り組み365日24時間体制で診療を行い、夜間の緊急手術や急性カテーテル治療にも対応しています。
経営の健全性・効率性について
①②_経常、医業収支比率ともに100%を超えており、さらに類似団体を上回っています。③_累積欠損金がある状況ですが、平成20年度に最大94.7%(最大42.6憶)あった欠損金比率を毎年純利益を上げることで順調に減らしてきており、現在は21.6%(12.6憶円)となっています。類似団体の数値を下回っていますが、引き続き解消していく必要があります。④⑤⑥⑦病床利用率及び入院、外来単価、職員給与比率全てにおいて類似団体より健全性・経営効率性が高くなっています。今後も適正な職員配置を実施し、さらに高い利用率の中で良質な医療を継続して提供し続けなければならないと考えています。⑧材料費比率は、類似団体を下回っていますが、病院区分や機能(高度急性期、急性期、慢性期)によるものであり、当年度は高額な新薬や材料が必要な患者さんの増加に伴うものと考えます。
老朽化の状況について
有形固形資産減価償却率は類似団体を大幅に上回っています。当院は古い建屋で約50年、新しい建屋でも約30年経過していますので、継続して老朽箇所の修繕等を実施し、非常に老朽化した建屋での経営を実施している状況です。それに伴い、一床当たり有形固定資産の額も大幅に少ない額となっています。また、機械備品減価償却率に関しては、中長期での医療機器、一般機器更新計画に沿って最先端の機器を更新しているが、類似団体より少し上回る結果となった。要因としては、前述のような急性期医療を行うために大型医療機器は定期的に更新しているが、比較的長期に使用できる機械備品等に関しては耐用年数を超えて使用しているものが多数あり、大幅に上回っている状況にあると考えます。
全体総括
当院の経営状況は、類似団体と比較して総合的に判断して、安定した経営状況であると考えます。近年の経営状況として、第一期及び第二期中期経営計画に基づき経営改善を図ってきたこともあり、平成21年度以降8年連続で黒字(平成26年度の会計制度変更時は除く)を達成しており、継続した黒字経営を実施することで、累積欠損金の解消に努めてます。今後は、第二期中期経営計画を基に、地域完結型医療体制の維持や現在進行している新病院建設へ向けて収益の確保と費用の削減を徹底し、経営健全化に努めます。