経営の健全性・効率性について
経営の健全性については、「企業債残高対給水収益比率」が類似団体と比較して高い数値となっている。(要因)平成22、23年度に「ありあけ浄水場」の建設費として1,018,557千円を要したことにより、企業債残高が増加したためである。(今後の対策)経営状況は、類似団体と比較しても大きな問題は無いように見えるが、「経常収支比率」が減少傾向であり黒字幅が減っているとともに、平成29年度から「料金回収率」が減少傾向にあり、将来的な見通しを踏まえると楽観視はできない状況である。また、流動比率は類似団体と比較しても下回っていることから、内部留保資金の推移に注視し、安定した経営を維持して行くために、今後も計画的に更新事業を実施し、経常収支とのバランスを考え設備投資と借入を行っていく。効率性については、「施設の利用率」、「有収率」ともに類似団体と比較して高い数値となっている。
老朽化の状況について
「有形固定資産減価償却率」は類似団体を下回っているが、徐々に上昇傾向であり老朽化が進んでいる。「管路更新率」は昨年度に比べ増加しているが、過去5ヵ年平均で0.51%と類似団体の0.69%を下回っているため、今後も老朽化の進行を見据えた投資計画が必要である。(要因)「管路更新率」増加の要因は、更新工事件数が増加した為である。「管路経年化率」の増加の要因は、管路マッピングシステムによる延長の精査など集計方法を見直したためである。(今後の対策)施設、設備の劣化状況を正確に把握したことにより、耐震化も併せた計画的、効率的な修繕、更新を行っていく予定である。
全体総括
今後は人口減少による給水収益の減少と、老朽施設が増加することによる費用の増加が予測され、健全な事業経営のために料金改定も視野に入れ、長期的な対策が必要と考えられる。(今後の対策)更新需要、財政収支見直しに基づく計画的な施設更新、資金確保を行うため、令和元年度に策定した中長期計画を踏まえ、将来の人口減少を見据えた効率的な施設整備及び財政計画により、安全で安定した供給サービスを永続的に提供できるように努める。