経営の健全性・効率性について
当市の公共下水道事業は、平成30年度までを目標に下水道管渠の面整備を行っている。国庫補助金を最大限に活用(補助率は工事費の50%)し整備を行っており、起債(工事費の45%)については、面整備が完了するまでは発行額が多くなっている。しかし、今後は面整備の終了に伴い企業債残高は減少する。①・・・100%を超えて推移している。③・・・100%を下回っており、水道事業会計からの一時借入金によって資金融通をしていることから、主たる収入源である使用料の改定も検討が必要と考える。⑤・・・100%を上回ったが、今後も持続的な経営を行うため、更なる費用削減や更新投資等に当てる財源を確保する必要がある。⑥・・・面整備を進めている最中のため、類似団体平均値と比較すると高くなっている。
老朽化の状況について
当市の公共下水道事業は、昭和47年に幹線管渠布設工事に着手し、昭和53年に終末処理場(現在の下水浄化センター)の処理を開始した。法定耐用年数が50年である管渠については、耐用年数を超えた管渠は存在しない。下水浄化センターの施設については、機械装置等の資産は順次更新に努めている。なお、躯体については、耐用年数を超えていない。ただし、耐用年数内であっても、施設の劣化に起因する故障・陥没等が発生しているため、管路診断・更生工事等を行い、施設の老朽化による事故防止に努めている。
全体総括
今後は、平成29年3月に策定した「佐賀市下水道事業経営戦略」に基づき、耐震対策(耐震化計画、改築更新計画の策定)、長寿命化対策(ストックマネジメント計画の策定)、施設統廃合計画の検討などを実施することにより、投資額の縮減を図りながら、計画的・効率的な更新を行うとともに、経営健全化に向けた取組みとして、水洗化率の向上や使用料の適正化に向けた早急な検討などが必要である。