経営の健全性・効率性について
流動比率が伸び、類似団体平均値を大きく上回っている。債務に対し償還が進んでいる状況で、資金繰りは問題ないと考えられる。経常収支比率が類似団体平均値を僅かに下回っているが、100%は超えており経営状況は悪化している状況にはない。しかしながら、更新投資等に充てる財源の十分な確保には至らない状況にある。経費回収率は100%を超えず推移しているが、当町は水循環再生下水道モデル事業を汚水事業で行っていることが影響している。このモデル事業費を除いた汚水処理費では経費回収率は100%を超えている。面整備はほぼ終わり、水洗化率は96%超と高率なことから、使用料収入による収益の伸びは見込めないため、料金改定も視野に入れた中長期的な計画を策定し、将来の管渠更新等に備えた留保資金の確保が必要である。汚水処理原価が類似団体平均値を上回っているので、今後も引き続き維持管理費の削減に取り組む等、効率性の向上を図る必要がある。
老朽化の状況について
現在、法定耐用年数を超えた管渠等はないものの、年々老朽化は進んでいるため、更新時期へ向けて、適切な投資計画を立てる必要がある。
全体総括
現在の経営状況は健全とまでは言えないものの、今のところ明らかに悪化している状況にはないと考えられるが、水洗化率は高い水準に達しており、収入の柱である下水道使用料の大幅な伸びは見込み難い。今後の人口の推移、将来に向けた管渠等の更新も見据え、バランスの取れた計画的な投資を行う必要がある。次期経営戦略の策定に向けモニタリングを行い、使用料金改定の必要性の検討も含め、取り組みを継続する。そのため、今後経営状況が悪化することないよう、上記の方策を通して、より効率的な経営を維持しなければならない。