地域において担っている役割
急性期病床101床、回復期病床41床、結核病床8床を有する地域の中核病院。大洲喜多医療圏における救急輪番病院、八幡浜・大洲医療圏域における広域二次救急病院として、救急搬送からの受け入れを中心に救急医療を提供している。災害関係においては、原子力災害医療協力機関の指定を受けているほか、当院の公立病院災害医療コーディネーターを中心に、災害拠点病院の補助的役割として当該圏域の指導・調整を行っている。新型コロナウイルス感染症に係る重点医療機関として、当該圏域のコロナ患者等に係る外来・入院対応を行っている。
経営の健全性・効率性について
新型コロナウイルス感染症の影響による患者数及び医業収益の減少に伴い、④病床利用率及び②医業収支比率は大きく減少している。一方、①経常収支比率については、新型コロナ関連の補助事業の活用等により、概ね前年度並みの比率を維持している。平成30年8月より外来投薬の院外処方を開始したことに伴い、【⑥外来患者1日1人当り収益】及び【⑧材料費対医業収益比率】が大きく減少している。なお、⑦職員給与費対医業収益比率の増加は、医業収益減に加え、会計年度任用職員制度の開始に伴う人件費の増も一因となっている。
老朽化の状況について
現在の病院は平成6年度に竣工後四半世紀を経過し、老朽化のため各設備において故障や不具合が生じているが、必要最小限の更新等により経営の健全化を図っている。平成30年度以降、県補助金を活用して放射線及び人工透析関連機器等を更新したほか、令和元年度に病院総合情報システム等の更新を実施した結果、【①有形固定資産減価償却率】及び【②器械備品減価償却率】が減少し、類似団体平均を大きく下回っている。平成27~28年度に行った病床数の減床に伴い【③1床当たり有形固定資産】は類似団体平均を大きく上回っていたが、病床規模を考慮した機器及び設備の更新等により平均値に近づいている。
全体総括
新型コロナウイルス感染症による患者数の減少を主因とする収益減の一方、施設設備の老朽化に伴う設備投資等は増額しており、経営状況は厳しい状況となっている。愛媛県が策定した地域医療構想に沿って、地域医療連携の推進、専門性の高い良質な医療サービスの提供に努めるとともに、健全かつ効率的な経営を確保するため、市立大洲病院新改革プランに沿った事業運営を実施していく。