地域において担っている役割
急性期病床101床、回復期病床41床、結核病床8床を有する地域の中核病院。大洲喜多医療圏における救急輪番病院、八幡浜・大洲医療圏域における広域二次救急病院として、救急搬送からの受け入れを中心に救急医療を提供している。災害関係においては、原子力災害医療協力機関の指定を受けているほか、当院の公立病院災害医療コーディネーターを中心に、災害拠点病院の補助的役割として当該圏域の指導・調整を行っている。地域医療連携ネットワークシステムを導入し、地域の医療機関等との連携・協力を図っている。
経営の健全性・効率性について
【④病床利用率】の低さが主因となり医業収支状況は悪化の一途を辿っていたが、平成28年度に設置した地域包括ケア病棟を中心としたベッドコントロール等の効果により回復傾向にある。平成30年度においては総務省の繰出基準に基づき、新たな繰入れを実施したことなどにより、以降の経常収支比率が大きく上昇している。なお、平成30年8月より外来投薬の院外処方を開始したことに伴い、【⑥外来患者1日1人当り収益】及び【⑧材料費対医業収益比率】が大きく減少している。
老朽化の状況について
現在の病院は平成6年度に竣工後およそ四半世紀を経過し、老朽化のため各設備において故障や不具合が生じているが、必要最小限の更新等により経営の健全化を図っている。令和元年度中に病院総合情報システムをはじめとする機器等の更新を実施した結果、【①有形固定資産減価償却率】及び【②器械備品減価償却率】が減少している。なお、平成27~29年度における【③1床当たり有形固定資産】の上昇の原因は、病床数の減床(平成27年7月:180床⇒159床、平成28年10月:159床⇒150床)によるもの。
全体総括
患者数の減少を主因とする収益減の一方、施設設備の老朽化に伴う設備投資等は増額しており、経営状況は厳しい状況となっている。愛媛県が策定した地域医療構想に沿った地域医療の基幹病院として、地域医療連携の推進、専門性の高い良質な医療サービスの提供に努めるとともに、健全かつ効率的な経営を確保するため、市立大洲病院新改革プランに沿った事業運営を実施していく。